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2018年 10月 3日 [ イベント ]
No.876:美術ファン必見! 県水墨美術館企画展「花鳥風月」
●珠玉のコレクションから47点
本展では、「花鳥風月」を主題に、葛飾北斎、横山大観、上村松園ら、近世から現代までの日本画の名作を中心に、書や陶芸を加えて代表作の数々が紹介されている。国内屈指とされる光ミュージアムのコレクションが、館外でまとめて展示されるのは今回が初めて。しかも、全体の3分の1は館外初公開という逸品揃いだ。水墨美術館のこれまでの展覧会の内容や、作品管理が十分になされていることが評価され、今回の企画展が実現した。
第1章「四季・花・鳥」、第2章「風流・風情」、第3章「月・山水」の3つの章立てになっており、花鳥風月の深遠な世界を紹介している。いくつか作品を紹介しよう。
江戸前期に宗達工房で制作された「四季草花図屏風」では花々がいっせいに咲き乱れる幻想的な世界が描き出されている。左甚五郎作とされる日光東照宮の「眠り猫」に感銘を受けて速水御舟(はやみぎょしゅう)が描いたとされる「牡丹睡猫(ぼたんすいびょう)」は、牡丹の横にたたずむ小さな猫がなんとも愛らしい。北大路魯山人の大型陶器、「つばき鉢」と「雲錦大鉢」が二つ並んで展示されている様子は圧巻。美食家としても知られる魯山人が陶器にどんな料理をイメージして作陶したのか、想像するのも楽しい。
上村松園の「三美人之図」は、花見に来た3人の傘美人を描いた作品。一見2人のようだが、奥にもう1人が隠れているかのような構図がユニーク。わずかに描かれた花びらも風情を感じさせる。
菱田春草の「瀑布(流動)」は滝の水と舞い落ちる楓の葉が印象的。滝の水の流れは永遠、滝を横切る小さな鳥は一瞬を表しているようだ。加山又造の「夜桜」はかがり火の“動”と夜桜の“静”の対照的なリズムが感じられる作品。右隻と左隻を入れ替えても連続して見える工夫がされている。
なお、作品には題名と作家名、制作年といった情報しか添えられていない。鑑賞者に作品から受ける印象を大切に、自身の感性で芸術を自由に楽しんでほしいからだ。名品が醸し出す風情や情緒は多くの説明がなくても伝わってくるだろう。
●鑑賞後、トークイベントへ
企画展に合わせ、「花鳥風月」をテーマにした関連行事が開催される。トークイベントの「花トーク」<10月8日(月・祝)13:30~、講師:古川浩孝氏(池坊中央研修学院講師)>では、「花鳥風月と生け花」と題し、生け花を実演するほか、花を題材にした作品を中心に独自の見方を説明する。
「鳥トーク」<10月13日(土)13:30~、講師:村井仁志氏(富山市ファミリーパーク・動物課長)>では、鳥が描かれた作品を中心に作品の見方を解説する。
「風トーク」<10月27日(土) 13:30~、講師:篠原正氏(気象予報士)>では、風をテーマに作品の見方を解説する。
「月トーク」<10月20日(土)18:00~、講師:林忠史氏(富山市科学博物館 専門学芸員)>では、月を題材にした作品を中心に楽しみ方を語る。当日は開館時間を19:30まで延長。トーク終了後、望遠鏡で月を見る観望会がある。(定員30名程度、申込不要)
富山県水墨美術館では、「好きな作品を近くでゆっくり見て、さらに離れてじっくりと、自身の感性で鑑賞してほしいですね。11月3日(土・祝)13:30~、担当学芸員によるギャラリートークを開催します。作品鑑賞のポイントや名作にまつわるエピソードなどを紹介します。館内では、9月22日(土)に行われた書道ライブパフォーマンスの作品や、『花鳥風月』風鈴短冊コンクールの入賞作品も展示しています。展覧会と併せてお楽しみください」と話している。
●県内秋の行楽情報
秋の行楽シーズン到来。県内の行楽地は次々と紅葉の季節を迎える。トロッコ電車に乗って黒部峡谷へ行かれるもよし、落差日本一の滝とのコントラストが美しい称名滝へ行かれるもよし、各地で紅葉狩りを楽しまれてはいかがだろうか。
また、楽しみなイベントも盛りだくさん。Aqua Timezの野外ライブやアイドルライブがメインとなる環水スターライトコンサート<10月6日(土)、7日(日)>、競技花や造形菊・創作花壇など色とりどりの菊花が展示され、県内外から多数の菊愛好家が訪れる南砺菊まつり<11月3日(土・祝)から11日(日)まで>など、さまざまなイベントが開催される。併せて訪れてみてはいかがだろうか。
- 問合せ
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●富山県水墨美術館
TEL.076-431-3719
FAX.076-431-3720
http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/3044.htm
とやま観光ナビ
https://www.info-toyama.com/