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2020年 12月 9日 [ イベント ]
No.980:ガンダム、立山を臨むー「富野由悠季の世界ーガンダム、イデオン、そして今」
●ファン必見!半世紀余りの軌跡
富野由悠季氏は、『機動戦士ガンダム』(1979年)などのガンダムシリーズの他、『伝説巨神イデオン』(1980年)、『聖戦士ダンバイン』(1983年)といった数多くのオリジナルアニメーションの総監督を務め、国内外のアニメシーンに多大な影響を与えてきた。
1941年11月、3人兄弟の長男として神奈川県小田原市に生まれた富野氏。父の喜平は旧日本軍関連の軍需工場で与圧服の研究・開発に携わっていた。自宅に残っていた与圧服の写真は宇宙服を連想させ、富野少年の視覚的原体験となり、宇宙への憧れを強くさせた。富野氏にとって宇宙旅行はいつも身近にあったようだ。アメリカのSF映画「月世界征服」のロケットのイメージに魅力され、手塚治虫の漫画のSF的ストーリー構成にも強く感銘を受け、物語や映画についての関心を深めていった。
本展は、第1部「宇宙(そら)へあこがれて」<海のトリトン/勇者ライディーン/無敵超人ザンボット3>、第2部「人は変わってゆくのか?」<機動戦士ガンダム/伝説巨神イデオン>、第3部「空と大地の間で逞しく」<無敵鋼人ダイターン3/戦闘メカ ザブングル/OVERMAN キングゲイナー/ラ・セーヌの星/しあわせの王子/闇夜の時代劇・正体を見る>、第4部「魂の安息の地は何処に?」<聖戦士ダンバイン/ガーゼィの翼/リーンの翼/重戦機エルガイム>、第5部「刻の涙、流れゆく その先へ」<機動戦士Zガンダム/機動戦士ガンダムZZ/機動戦士ガンダム 逆襲のシャア/機動戦士ガンダムF91/機動戦士Vガンダム/ブレンパワード>、第6部「大地への帰還」<∀ガンダム/リング・オブ・ガンダム/ガンダムGのレコンギスタ>の6部で構成されている。
虫プロダクションに入社して『鉄腕アトム』制作にかかわったころから、初監督作品『海のトリトン』、出世作となった『機動戦士ガンダム』、『ガンダムGのレコンギスタ』までの55年間に渡る富野氏の仕事を、直筆の絵コンテや、仕事を共にしたクリエーターたちのデザイン画、原画、撮影に使われたセル画など作品資料約3,000点とともにたどることができる。
特に、虫プロダクションで手掛けた『鉄腕アトム』の絵コンテや、『機動戦士ガンダム』の企画書など貴重な直筆資料を目にすることができる。ロボットアニメで重厚な人間ドラマを描き、人類の未来に警鐘を鳴らしてきた富野氏のメッセージを受け止めてみよう。
●『機動戦士ガンダム』のテーマは愛
代表作『機動戦士ガンダム』を紹介しよう。同作では、メカアニメ史上初めて人類同士の「戦争」を想定。架空世界でありながら、実際の科学的知識と架空の科学を重ね、その中で巨大ロボット=モビルスーツを通常兵器として描き出したことで、過去のアニメをしのぐSF的リアリティに富んだ世界観を獲得した。こうした舞台設定を背景に、少年少女たちの青春群像劇を展開。主人公のアムロ・レイが戦いの中でさまざまな人物と出会い、成長していく姿を描いた
脇を固める登場人物も人間らしく魅力的に演出。ジオン軍の士官、シャア・アズナブルは陰影のある人物として設定され、ドラマ展開のもう1つの軸となった。また、主要登場人物に、戦争という状況で現実にありそうな愛情のドラマを描き、その積み重ねによってリアリティが増していった。それが青春群像劇であるガンダムの世界に豊かな情感を与えた。
●アニメキャラクターが「富富富」のパッケージに
会場内には、メインビジュアルの看板や『無敵鋼人ダイターン3』の模型と一緒に撮影できるコーナーもあるので記念の一枚を。特設のミュージアムショップでは、本展開催記念米として、富山米「富富富(ふふふ)」(約2合)などを販売。富野作品を彩るキャラクターがパッケージにデザインされたユニークな土産品だ。
富山県美術館では、「本展は、全国(6つ)の公立美術館の学芸員の熱心なアプローチで実現しました。貴重な資料を実際に見ることができる機会です。冬休みにぜひ家族連れでお楽しみください」と話している。
- 問合せ
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●富山県美術館
TEL.076-431-2711
FAX.076-431-2712
https://tad-toyama.jp/