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2021年 7月 14日 [ イベント ]
No.1007:ポスターデザインの最先端へ、第13回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2021
●世界を覆うコロナ禍の閉塞感を打ち破るような作品
「IPT2021」は、世界から最新のポスターを公募し、審査・選抜する、日本で唯一の国際公募展。1985年の創設以来、3年に1度のトリエンナーレ方式で開催されており、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ(ポーランド)、ラハティ国際ポスタートリエンナーレ(フィンランド)、ブルノ国際グラフィックデザインビエンナーレ(チェコ)、メキシコ国際ポスタービエンナーレ(メキシコ)と並ぶ世界5大ポスター展の1つとして高く評価されている。
13回目の公募には、紙媒体応募のA、B部門、30歳以下または学生を対象としたU30+Student部門を設定。コロナ禍でありながら、64の国と地域から過去最高となる5,943点の作品が寄せられた。
本展では、全応募作品から選ばれた入選、最高賞にあたるグランプリ、金賞、銀賞、銅賞作品に、審査員による招待作品を加えた約400点を展示する。入賞作には、コロナ禍の閉塞感を打ち破るような作品などが選ばれた。
●ポスターは言葉を超えたコミュニケーションツール
作品をいくつか紹介しよう。グランプリに輝いたのは、「VideoEx2018 実験映画・フィルム・フェスティバル、チューリヒ」<ヴォートリ,マーティン氏(スイス)、2018年>。実験映画をテーマにした映画祭の告知ポスターで、文字を効果的に使うなど、新しい表現に挑戦する姿勢が審査員に支持された。
金賞を受賞した「中国建国70周年記念」<ルー,ジュンイー(中国)、2020年>はユーモアや情緒的な表現を一切排除し、見る側にさまざまな捉え方ができる点が評価された。
同じく金賞を受賞した「『イメージにおける知識』展」<シュライフォーゲル,ラルフ氏(スイス)、2019年>は、数式や規則に従って文字が形成されているような不思議な作品だ。
「INVISIBLE」(目に見えないもの)をテーマにしたB部門の中で銀賞を受賞した「日本の女性2021」<上田楠菜子氏(富山市)、2021年>は、黒いスーツ姿の男性たちのイラストの上に女性を表す記号が浮かび上がる作品。重要な会議などに男性ばかりが占める日本の現状を表現した。ジェンダーの問題を提起している。
30歳以下を対象に設けられた「U30+Student部門」の金賞には、「盲目に叫ぶ」<副島智也氏(東京)、2020年>。少女に似合う可愛らしいピンク色の背景と、叫びをイメージしたとげとげしいデザインの対比が表現に深みを生み出している。
富山県美術館では、「ポスターは時代を映す鏡。平面の世界ですが、色を考えたり、デザインしたりすることで意味やメッセージを込めることができます。視覚的なメッセージによる言葉を超えたコミュニケーションツールであり、見る側はポスターの前に立つことで、時代の風や問題意識を共有できます」と話している。
なお、IPT2021の協賛イベントとして「ポスターの街・とやま2021」が開かれている(主催:「ポスターの街・とやま」実行委員会)。富山商工会議所ビルでのIPT2021公式ポスターや、「ポスターの街・とやま2021」のポスター掲示、富山駅での「ポスターの街・とやま2021」のポスター掲示、富山市中心商店街、総曲輪通り・中央通りでのイーゼルを使った「商店街をポスターで飾ろう」、銀行やホテルなどでの「ポスターinギャラリー」、富山市中心部のバス停や主要交差点に設置されている大型広告パネルに「ポスターの街・とやま2021」など各種ポスターを掲示する「シティスケープでポスター展」などを開催。ポスターの持つ魅力が街を活気づけ、さらなる賑わいを生み出すデザイン・コミュニケーションが楽しめる。「ポスターの街・とやま2021」のイベントマップを片手に街歩きに出かけてみてはいかがだろうか。
- 問合せ
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「第13回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2021(IPT2021)」について
●富山県美術館
TEL.076-431-2711
FAX.076-431-2712
https://tad-toyama.jp/
「ポスターの街・とやま」について
●「ポスターの街・とやま」実行委員会(富山商工会議所産業振興部内)
TEL.076-423-1170
FAX.076-423-1114
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/poster/