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1999年 2月 22日 [ イベント ]
No.031-2:砺波の春に彩りを添える「子供歌舞伎」!
富山県砺波市で4月16日(金)、17日(土)に「子供歌舞伎」が開催される。これは、小学生男女7名が曳山の上で歌舞伎を演じるもので、舞台は1.8m四方の小さな台の周囲に、勾欄(こうらん)をめぐらせた御殿風になっている。
子供歌舞伎が演じられるのは、市内にある神明宮の春祭り。まず、神明宮境内でお祓いをしたあと、鳥居の前で上演。その後は曳山を移動しながら町の辻々で演じる。1幕約80分で、初日は午後1時から9時まで8回、2日目は午後2時から9時まで5回の上演が予定されている。
■今年は記念の舞台
今年の演題は「一の谷嫩(ふたば)軍記 熊谷(くまがや)陣屋」。内容は源氏の熊谷直実(なおざね)が、義経の命により、敵将平敦盛(あつもり)を助けるため我が子小次郎を犠牲にして殺害する物語(注)。心理描写が多いうえに、衣装替えが4回って難しい演目とされる。今年は子供歌舞伎が210年目、地元出町が開町350周年という節目にあたることから、40年ぶりに演じられることになった。
■芸事を重んじる土地柄が伝統を守り育てる
曳山を移動させながらの子供歌舞伎は、全国的にも珍しく、砺波市のほかは滋賀県長浜市、石川県小松市などに残っている程度。
砺波市の「子供歌舞伎」の起こりは天明9年(1789)という。江戸時代、加賀藩が庶民に芸事を奨励した影響もあってか、砺波市は浄瑠璃や謡曲などの習い事が盛んだった。なかでも、江戸時代から明治にかけて砺波地方で人形浄瑠璃が大流行し、それが子供にも影響し、子供たちが浄瑠璃や三味線を練習した成果を発表する場として、春祭りに「子供歌舞伎」を演じるようになったといわれる。
砺波市の子供歌舞伎は芸事に熱心な土地柄に支えられ、伝統が守り続けられてきた。平成6年には、長い歴史を持つ伝統芸能として、富山県無形文化財に指定されている。
(注)「一の谷嫩(ふたば)軍記 熊谷陣屋」
熊谷次郎直実が、須磨の海岸で敵将平敦盛を討つように見せかけながら、我が子小次郎の首を討つ。その我が子の首を、敦盛の首だと偽って源義経に見せる。実は合戦の前に、熊谷は主君の義経から、後白河天皇の血を引く敦盛の命を助け、「一子を斬って」敦盛の身代わりにせよと、それとなく命令されていたからである。主君に背くことのできない熊谷は、命令どおりに実子を身代わりにし、殺害する。そのことを知った義経は、「よくも討ったり」と熊谷を誉める。だが、罪もない我が子を無残に殺害した熊谷は、戦さを憎み、世の無情をはかなんで出家を決意する。
問い合わせ
●砺波市観光協会
〒939-1332 砺波市永福町6-28
0763-33-2109