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1998年 12月 12日 [ イベント ]
No.028-2:鯉に酒を飲ませて川に放流する珍しい神事。
■厄払い鯉の放流の概要
富山県庄川町の金屋地区では、毎年1月7日に鯉に酒を飲ませて放流する「厄払い鯉の放流」神事が行われる。まず厄年にあたる男女が、金屋神明宮で厄年祈祷の参拝をした後、同地区を流れる庄川の舟戸ダム河畔の水記念公園にある放流場へ向かう。
放流場では参加者が鯉にお神酒を飲ませてから、一人ひとりが鯉に手を触れて厄を鯉に託して放流。1年間の健康と安全を祈願する。この珍しい神事を一目見ようと、県内外から毎年観光客やカメラマンが大勢訪れる。
■鯉の放流の由来
鯉に酒を飲ませて川に放流する神事は、全国に例のない奇祭とされている。その起源は文化13年(1816)3月26日の金屋神明宮の遷宮祭にまでさかのぼる。神前に鯉を供えたところ、長時間にわたる神事が終了しても鯉が生きていた。そこでこの鯉の生命力にあやかると共に、身の厄を託して、お神酒を飲ませて庄川に放流した。これが「厄払い鯉の放流」の始まりと言われる。その後、明治の初めごろから放流日を1月7日に変更して実施されているが、昭和58年からは女子も加わるようになった。また、鯉は‘庄川の主’あるいは‘神の化身’として、地元で昔から崇められてきた魚である。
■庄川町について
庄川町は、町内を流れる庄川と共に発展してきた。藩政時代から上流の五箇山や飛騨で伐採した木材を、庄川を利用して流送し、町は木材の一大集散地として発達した。幕末期になると豊富な木材を求めて全国から挽物木地師が移り住み、ロクロによる木工品作りが盛んになり、今日の「木工の町」へと発展。近年は風光明媚な庄川河畔に温泉郷が誕生し、観光地としての地位も築き上げている。
●庄川町役場 都市開発課
〒932-0314 庄川町青島401