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1998年 10月 1日 [ イベント ]
No.024-3:井波彫刻の魅力満載の4日間 第24回井波彫刻まつり開催
■年に一度の井波彫刻大イベント
そこかしこにある木彫工房から、ノミを打つ槌の音が響いてくる富山県井波町。木彫りの里として知られるこの町で、年に一度の恒例イベントである「井波彫刻まつり」が、10月31日(土)〜11月3日(祝)の4日間にわたって開催される。
全国の小学校に寄贈する木彫パネルを、まつり期間中に仕上げる公開制作には、町の彫刻師が総力を結集。毎年好評の天神様即売展や干支彫刻展にも力作が揃う。会場は、いなみ木彫りの里創遊館(井波町北川730)。
■小学生のイメージを伝統の技でパネルに
井波彫刻まつりのメインイベントとなるのが、木彫スクールパネルの公開制作。平成7年から続けられているこの企画は、全国から公募で選んだ小学校8校に寄贈する木彫レリーフ「スクールパネル」(160cm×70cm)を、まつり期間の4日間のうちに、町の彫刻師が交替で完成させるというもの。制作の基本となる図案は各校の児童が作成。小学生の豊かな発想と創造力によって描かれたイメージと、井波彫刻の伝統的技術を組み合わせた作品というわけだ。今年は、兵庫県の神戸市立本山第二小学校ほか8校の「スクールパネル」が公開制作される。
■100体以上の天神様が一堂に
100体以上にも及ぶ木彫りの天神様が一堂に展示されるのも、このまつりならではの圧巻。江戸時代から、加賀・越中・能登では、藩主前田家の祖先が菅原道真であるとの言い伝えから天神信仰が厚く、特に富山県では、長男が生まれると母方の実家から天神様の彫刻や掛け軸が贈られ、正月の床の間に飾る風習が現在も残っている。こうした背景から、井波彫刻では天神様の制作に力を入れており、まつりの機会に一堂に集めて展示即売している。
また、干支の彫刻展も人気が高く、今年は「卯」を題材とした木彫品が勢揃い。来場者に投票してもらい、ベスト10が決められる。
■220年の伝統を誇る井波彫刻
井波彫刻のルーツは、町のシンボルでもある瑞泉寺と深くかかわっている。明徳元年(1390年)創建の瑞泉寺は、幾度かの焼失を繰り返し、その都度再建されてきたが、江戸時代中期(1763〜1774年)の再建の折に派遣された京都東本願寺の御用彫刻師・前川三四郎に、地元の大工が技を習ったのが起源とされている。以後、寺社彫刻に技を競ってきたが、明治時代に入ってからは住宅欄間にもその技を生かし、井波欄間の名を確立。荒彫りから仕上げまで200本以上のノミや彫刻刀を駆使する高度な技は現在も、欄間、衝立、パネル、置物などの制作に受け継がれている。
●井波彫刻まつり実行委員会(井波彫刻総合会館内)
〒932-0226 富山県東砺波郡井波町北川733
TEL 0763-82-5158