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1998年 4月 10日 [ イベント ]

No.019-4:国宝の瑞龍寺で伝統の「ひとつやいと」が行なわれる。


■「ひとつやいと」の由来
 「やいと」とは、関西方言の「お灸」のこと。富山県高岡市にある瑞龍寺の「ひとつやいと」は、今から300年前、行脚に出る修行僧たちが、安全祈願のために足に灸をすえたのが始まりとされる。明治時代に入リ、田植えを終えた農夫がお参りに訪れた折り、修行僧から灸を受けた。これが一般に広く普及し現在に至ったという。現在も毎年6月1日と7月1日の2回行なわれている。

■国宝の寺でお灸
 当日は法堂に読経が響きわたり、「ひとつやいと」を受けようと早朝から大勢の参拝者がつめかける。訪れた人々は法堂の回廊に一列に座り、膝を立てながら順番を待つ。そこへ僧が1人ずつ膝小僧のツボにもぐさを置き、線香で火をつけてまわる。使われるもぐさは、よもぎを乾燥させて小豆ぐらいの大きさに丸めたもの。両膝に一つずつのせて焼くことから、「ひとつやいと」の名で親しまれてきたが、今では膝へのやいとのほかにも、「体のいろんなところにもお灸をすえて欲しい」という参拝者からの要望に応えて、暖灸による全身へのやいとも行なわれている。

■やいとを受けて夏を乗りきる
 毎年「ひとつやいと」には、県内外から8000人近くが訪れる。若い人から80才以上の高齢者まで、年齢の幅も広い。瑞龍寺の四津谷道昭住職は、「当日はみなさん、朝早くからお越しになられます。やいとをすることで心身を軽くして、夏を元気に乗りきってもらいたいですね」と話す。平成9年に瑞龍寺の仏殿、法堂、山門の三棟が国宝に指定されたこともあり、今年の参拝者は例年を上回るものと予想されている。
 受付は早朝5時から夕方4時まで。料金は1人500円。全身への暖灸が1,000円。

●瑞龍寺
〒933-479 高岡市関本町35
TEL 0766-22-0179

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