富山湾に春を告げるホタルイカ。その小さな体に約1000個もの発光器を持つ“海の宝石"がおりなす神秘的な光景を、観光船から堪能することができるホタルイカ海上観光が、今年も実施される。
　富山県滑川市の沖合は、深海のホタルイカが産卵のために、数十万という群れをなして上がってくることで知られ、「ホタルイカ群游海面」として特別天然記念物に指定されている。その大群を待ち受けて、３月１日の解禁と同時に、沖合約１キロに敷かれたいくつもの定置網でホタルイカ漁が始まる。この網上げのときこそが、大群のホタルイカがいっせいに発光するハイライトだ。その様子を、漁船と船体を並べるようにして間近に見ることができるとあって、毎年高い人気を集めている。
　観光船はまだ暗い早朝に滑川漁港を出港し、定置網漁場へ。漁場では、威勢よく網がたぐられるたびに、ホタルイカが青白い光となって浮かび上がる。心得た漁師さんともなると、たも網でホタルイカをすくい上げ、空中に光跡が揺れる光の乱舞を演出してくれることも。その場でしか見ることのできないこの幻想的な光景に、網上げまでの約30分間、船上からは歓声の絶えることがない。
　今年の海上観光は、４月18日（土）〜５月５日（火・祝）の18日間。４月24日（金）までの通常時は午前３時30分からの１回出航、４月25日（土）〜５月５日の連休時は、午前３時からと午前４時からの２回出航となる。乗船には予約が必要で、３月２日（月）から滑川観光協会で受付開始。通常時は 145名（２隻対応）、連休時は210名（３隻対応）で締め切りとする。料金は大人3,000円、小中学生2,000円で、幼児は乗船できない。なお、天候が荒れた場合には、止むを得ず出航を中止することもある。

●滑川観光協会
〒936-0051　富山県滑川市寺家町104
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