日本でも屈指の豪雪地帯として知られる富山県の五箇山地方では、今年も２月14日・15日の「五箇山雪まつりイン上平」を皮切りに、２月20日〜22日は「利賀そば祭り'98」、２月22日には平村で「こきりこ味まつり」が開催される。

　上平村の「五箇山雪まつりイン上平」では、雪上の歩行用に使われるカンジキを履いて走る「カンジキリレー選手権大会」が人気だ。５人１組になってリレー方式で競争するもので、観客からは盛んに声援がおくられ、山々に黄色い歓声がこだまする。五箇山地方は、こきりこ節や麦屋節など民謡の里でもあるが、ステージでは五箇山民謡保存会による歌と踊りが披露されるほか、熊汁、栃餅といった飲食コーナーも出て人だかりとなる。また、まつり期間中は、国の重要文化財の岩瀬家や五箇山民俗館の入場料が無料になるのをはじめ、夜には世界文化遺産の認定を受けた菅沼合掌集落がライトアップされ、雪景色の中に幻想的なシルエットが浮かび上がる。

　世界演劇祭の開催地として有名な利賀村の「利賀そば祭り'98」では、そば粉100％で作った伝統の手打ちそばが味わえるほか、実際に自分でそばを打ちその場で試食をすることができる。また飲食コーナーでは、岩魚の塩焼きや岩魚寿司といった山里ならではの美味珍味も楽しみだ。そして会場には、有名な建造物や伝説上の人物をテーマに大小40基余りの雪像が作られるが、なかには高さ９ｍに達する巨大なものまで登場し、訪れる人々の目を楽しませる。夜には雪像のライトアップや花火大会も実施され、昼とは違ったロマンチックな雪国の世界を作りだす。

　平村の「こきりこ味まつり」は、会場のこきりこ館で開催されるステージショーが中心。麦屋節、こきりこ節、といちんさ節や全国の有名な民謡も披露される。五箇山民謡の本場で１日たっぷり楽しめるとあって、民謡ファンには見逃せない祭りだ。味覚も充実し、五箇山豆腐、山菜、岩魚などを使った伝統料理、それに地酒やにごり酒なども味わえる。「利賀そば祭り'98」と同日開催のため、両会場を 一緒に楽しむことも可能だ。

　２月中旬から下旬にかけて行なわれる五箇山地区の冬祭り。雪深い山里ならではの情緒と伝統文化にふれながら、寒さを忘れて思いきり楽しみたいものである。





●利賀そば祭り'98
o 問い合わせ
利賀そば祭り'98実行委員会
〒939-25　利賀村利賀171（利賀村役場内）
TEL 0763-68-2111
●五箇山雪まつりイン上平
o 問い合わせ
五箇山雪まつりイン上平実行委員会
〒939-19　上平村細島879（上平村役場内）
TEL 0763-67-3211
●こきりこ味まつり
o 問い合わせ
こきりこ味まつり実行委員会
〒939-19 平村下梨1135（五箇山商工会内）
TEL 0763-66-2468