福野町の神明社では、５月１日から３日間、夜高祭りが行われ、「夜高あんどん」と呼ばれる曳山が町を練り歩く。これは藩政時代に町民が伊勢神宮からの御分霊を、あんどんを持って出迎えたのが始まりといわれるが、今では富山県を代表するケンカ祭りとして有名だ。
　夜高あんどんは、竹の骨組みに和紙を張った張子（宝船、大黒、鯛など）で作られ、高さ６メートルにも達する。あんどんの中には電飾が仕込まれ、夜空に色鮮やかに浮かび上がる。その夜高あんどんをハッピ姿の若者たちが、「ヨイヤサー　ヨイヤサ」と威勢よく曳き回す。
　祭りのクライマックスは、夜高あんどん同士がお互いにぶつかりあう勇壮な“ケンカ”。昔からケンカが盛大なほど神様がお喜びになり、その年は豊作になるといわれている。
　夜高祭りは福野町以外にも砺波市、庄川町、小矢部市津沢など散居村で知られる砺波平野の各地に伝わる。これらの先陣を切る福野夜高祭りは、今年も夜空を紅々と照らし出し、町を熱気の渦に包みこむことだろう。

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