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2001年 9月 5日 [ イベント ]

No.078-3:五箇山の民謡を味わう−秋風に誘われて、民謡の調べと踊りに酔いしれる旅へ−


●菅笠を巧みに操る男踊りを堪能

 平家の落人伝説、世界遺産の合掌集落で知られる越中五箇山は、「麦屋節」や「こきりこ節」、「といちんさ節」など、多くの唄と踊りが伝わる“民謡の宝庫”。特に秋は、そんな民謡を堪能できる祭りの季節である。 9月15日・16日の2日間、砺波平野と五箇山地方を結ぶ道筋に広がる城端町では、「城端むぎや祭」が城端別院善徳寺を中心に開催される。 「麦や菜種は2年で刈るが 麻が刈られよか半土用に」。平家の落人が都を偲んで唄い踊ったのが始まりとされる「麦屋節」は、哀調を帯びた旋律と、すげ笠を巧みに操る格調高い男踊りが魅力。祭りでは、むぎや踊り競演会のほか、じゃんとこいむぎや、むぎや節コンクール全国大会、街並み踊りなどが行われ、城端の町は、むぎや一色に染まる。 行事を紹介すると、15日の午後に西町通りで行われる、じゃんとこいむぎやは、伝統的な祭りに新風を吹き込もうと昨年からスタートした参加型イベント。創作舞踊グループ15チームが、むぎや節などの民謡を現代風にアレンジした曲に合わせて華やかなストリートパフォーマンスを繰り広げる。ファンクラブを立ち上げ、ポスターやパンフレット、CD-ROMを配布するという試みも今年の話題だ。 15日・16日の夕方に始まる街並み踊りは、競演会に参加した民謡団体が浄念寺前、坡場の坂など情緒ある舞台でむぎや踊りを披露するというもので、勇壮な舞を眼前で楽しめるのも魅力といえる。


●郷愁を誘う美しい旋律が山々にこだま

 9月23日・24日の2日間、五箇山・平村下梨にある地主神社境内で行われる「五箇山麦屋まつり」では、民謡保存会による踊りの披露、総踊りのほか、笠踊りコンクールや、麦屋節笠踊り・手踊り・ほんまわりなどの講習会が予定されている。紋付、袴に白たすき、腰に刀をさした凛々しい若者たちの心意気を感じながら、踊りの手ほどきを受けてみよう。「こきりこの竹は七寸五分じゃ 長いは袖のかなかいじゃ」。25日・26日、平村上梨にある白山宮境内では「こきりこ祭り」が行われ、こきりこ節の郷愁を誘う美しい旋律が周囲の山々にこだまする。平安時代の荘園開拓時に踊った田楽が起源とされるこきりこ節は、ささら、板ささら、筑子竹など、往時のままの珍しい楽器を鳴らしながら踊る郷土民謡。烏帽子、狩衣の独特の衣装が印象深く、ささらがザザッと鳴れば、遠くいにしえの世に思いをはせることができる。祭りでは、奉納獅子舞や奉納こきりこ、越中八尾おわら保存会と越中五箇山こきりこ唄保存会等の舞台競演などが行われる。城端から五箇山・平村へ、情緒漂う民謡に酔いしれたい。





問い合わせ
●「城端むぎや祭」/城端町産業振興課
電話(0763)62-1212
●「五箇山麦屋まつり」・「こきりこ祭り」/平村産業観光課
電話(0763)66-2131
五箇山観光協会
電話(0763)66-2468

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