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2004年 7月 14日 [ イベント ]

No.152-1:この夏は、世界の利賀で演劇鑑賞を


●鈴木忠志氏の演出による「オイディプス王」、「リア王」を鑑賞

 8月2日(月)〜21日(土)、演劇の村として国内外に知られる利賀村で、毎夏恒例の「利賀サマー・アーツ・プログラム2004」、そして8月14日 (土)〜22日(日)には3年振りの日本開催となる日中韓共同演劇祭「第11回BeSeTo演劇祭(利賀)」が利賀芸術公園を舞台に開催される。
 「利賀サマー・アーツ・プログラム2004」では、舞台公演プログラム「オイディプス王」、「リア王」と、「利賀演出家コンクール2004」が必見だ。まず、母と男児間の愛情、父と男児間の憎悪反発を描いた「オイディプス王」<8月7日(土)野外劇場>は、2002年に鈴木忠志氏の演出によりドイツ、ギリシアで上演され絶賛を博した新演出の舞台。オイディプス王の悲劇を、ゲッツ・アルグス(ドイツ)、エレン・ローレン(アメリカ)と日本の俳優たちが共演する。そして「リア王」<8月13日(金)新利賀山房>は、親子の断絶、家族の崩壊を独自の様式で描く鈴木演劇の名作。今年の秋にはロシア国立モスクワ芸術座に鈴木氏が招かれ、ロシアの俳優による「リア王」を演出することでも話題となっている。
 また、「利賀演出家コンクール2004」は、2000年にスタートした、日本で初めての演出家を対象としたコンクール。すでに国際的に活躍する演出家を輩出するなど、世界的にも注目されている。今年は、一次審査に合格した17名の演出家が上演審査に挑み、8月5日(木)〜15日(日)まで毎日1〜2作品を上演する予定で、全作を観劇できる参加パスも販売される。8月21日(土)には利賀芸術公園内劇場で最優秀・優秀候補作品2作品の最終審査上演が一般公開されるので楽しみだ。
 このほか、期間中には、海外から多数の舞台芸術家が参加し、スズキ・メゾッドと呼ばれる鈴木氏の独特の理論と実践を学ぶ「利賀演劇塾」、富山大学など大学生を対象にしたワークショップが展開される「学生演劇フォーラム」、富山県下の高校演劇部の生徒を対象に演劇トレーニングを行う「高校生夏期演劇講習」など、多彩なプログラムが実施される。


●日本、中国、韓国共同の演劇祭

 「BeSeTo演劇祭(利賀)」は、1994年に日本、中国、韓国の演劇人によってスタートした3カ国共同の演劇祭。第11回目となる今年は、鳥取、静岡、東京に先駆けて利賀村で開催されるもので、この公演が全体のオープニングとなる。舞台公演を紹介しよう。太宰治原作の流行歌劇「カチカチ山」<8月 14日(土)野外劇場>は、狸=中年男の純情と、兎=少女の奔放さが加速する鈴木演出の喜劇。池を配置した野外劇場を舞台に花火などを使った演出も堪能したい。「我愛桃花(ウオーアイタォホァ)」<8月17日(火)利賀山房>は、中国・北京人民芸術劇院の舞台公演。ひとりの美しい女をめぐる愛人と夫の物語。中国に伝わる伝説の妖しい物語が興味深い。「渡り鴉(仮題)」<8月21日(土)利賀芸術公園内劇場>は、日中韓3カ国の気鋭の演出家たちが共同で創る舞台。監修は第2回利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞の関美能留(みのる)氏が担当している。
 いずれの演劇祭も、各舞台公演のチケットの予約は7月20日(火)9:00から始まる。「オイディプス王」、「リア王」、「カチカチ山」は1枚 4,000円、「我愛桃花(ウオーアイタォホァ)」は1枚3,000円。「利賀演出家コンクール」の観劇パスは2,000円、8月21日の上演作品をすべて観劇できる特別券3,000円となっている。日本、そして世界最高の演劇を夏の利賀で堪能したい。




問い合わせ
●7月14日(水)まで/
舞台芸術財団演劇人会議・東京事務所
TEL.03-3951-4843
FAX.03-3951-5806

●7月15日(木)から/
舞台芸術財団演劇人会議・利賀事務所
TEL.0763-68-2356
FAX.0763-68-2912
E-mail : togapk@p1.tst.ne.jp
http://www1.tst.ne.jp/togapk/summer04.html

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