新型コロナウイルスの影響で運休していた「富岩水上ライン」。感染拡大防止対策を強化し、中島便の運航を再開しているが、いよいよ明日7月23日(木・祝)から全便が運航する。県民割引キャンペーン記念イベント、富山県美術館などの情報も併せて紹介する。

●中島閘門で“水のエレベーター”を体験

　「富岩水上ライン」は、富山駅北・都心に広がる親水公園・富岩運河環水公園から富山港・岩瀬運河の岩瀬カナル会館までの全長約7kmを結ぶ運河クルーズ。水面を渡る涼風や、羽を休める水鳥たち、運河沿いの緑の木立に心も癒される。両端に展望塔をもつ天門橋を眺めていると、異国を訪れたような不思議な感覚にとらわれるだろう。環水公園から約2km下流にある中島閘門は、富岩運河の上流と下流の最大水位差2.5mを調節するパナマ運河方式の閘門。船に乗りながらの“水のエレベーター”をぜひ体験してみよう。

　富岩水上ラインの船舶は、2019年に就航した新艇の「kansui(かんすい)」、流線形のモダンな船体が美しい「fugan(ふがん)」、グリーンの船体のソーラー旅客船「sora(そら)」、レッドの船体の可愛らしい電気ボート「もみじ」の4隻。最大乗船定員の減員、座席の間引き、消毒液の設置、船内の換気、清拭消毒、検温、マスク着用など、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を施し、7月23日(木・祝)から全便運航となる。

　運航コースは、●Ａコース＜1日2便＞／環水公園→中島閘門(水のエレベーター)→岩瀬カナル会館前(乗船時間約60分、大人片道1,700円)、●Ｂコース＜1日2便＞／岩瀬カナル会館前→中島閘門(水のエレベーター)→環水公園(乗船時間約70分、大人片道1700円)、●Ｃコース＜1日5便(休日は6便)＞／環水公園→中島閘門(水のエレベーター＆操作室見学)→環水公園(乗船時間約70分、大人往復1,400円)、●周遊コース＜1日5便＞／環水公園→環水公園(乗船時間約20分、大人往復500円)の4つがある。ＡとＢには富山地方鉄道富山港線片道乗車券が付いている。

　なお、現在、県民先着10,000名限定で乗船料金を半額にする「県民割引キャンペーン」を実施中＜11月23日(月・祝)まで＞。Ａコースは大人850円、小人430円、Ｃコースは大人700円、小人350円、周遊コースは大人250円、小人130円利用には、乗船券購入時にチケット売場窓口で代表者の名前と住所が確認できる身分証明書(運転免許証・保険証、マイナンバーカードなど)の提示が必要。

　また、8月1日(土)、2日(日)に、水上ライン乗り場周辺で開催する「県民割引キャンペーン記念イベント」も楽しみにしてほしい。有料で乗船の方先着100名にかき氷をプレゼント。両日10:00～17:00にはスーパーボールすくいなどが楽しめる「ちびっこ縁日」やキッチンカーが自慢の味を提供する「環水マルシェ」が行われるほか、1日(土)には「ジャグリング＆マジックショー」(11:00、13:30、15:00)、2日(日)には「水辺のコンサート」(11:00～)を開催する。開催にあたっては、スタッフ等の検温・マスク着用、机・椅子等の間隔をあけての設置や会場内の消毒実施などの感染防止対策を行う。

　県観光振興室では、「暑い夏、富岩水上ラインで涼を感じながら運河クルーズを満喫しませんか。この機会にぜひ乗船いただき、富山の新しい魅力を発見してほしい」と話している。

●県美術館のコレクションから

　富岩運河環水公園に建つ富山県美術館で開催中の「コレクション展Ⅱ」＜9月8日(火)まで＞の話題も紹介しよう。展示室1では、【動き】【行為と痕跡】【人物表現】【部屋】の4テーマに分けて、20世紀美術の作品25点を展示している。【動き】では、原爆をテーマにした岡本太郎《明日の神話》、アルミニウムハニカムなどの素材を使ったフランク・ステラ《タラデガ》など躍動感あふれる作品が展示室を彩る。【行為と痕跡】では、ジャクソン・ポロックの《無題》や白髪一雄の《浄風吹炎》などの作品を鑑賞できる。

　展示室2では、特集展示「ディスカバー・トヤマ：画家と旅する富山県」を開催。遠藤彰子、大野俊明、中村琢二ら、昭和・平成の画壇を代表する画家たちが富山を取材・制作した「富山を描く」シリーズより、魅力ある富山の風土を描いた42点を紹介している。画家たちと一緒に富山県内を旅するように、ふるさとの風景を楽しめる。

●家庭で家族と動画プログラム

　新型コロナウイルスの収束が見えない中、富山県美術館では家庭でも創作活動を楽しめる動画プログラム「やってみよう！どこでもオープンラボ」を配信している。No.955でも紹介した4月から配信の「第1回：タングラムで動物あそび」、5月から配信の「第2回：ニコニコポンポンをつくろう」に続き、6月から「マテリアるんるんスター☆彡」(動画約5分)を配信。6枚の色紙でパーツを作り、平面から立体に変化させてつくる素材を楽しむプログラムだ。家族で一緒に挑戦してみてはいかが。

　富山県美術館では、「デザインコレクションⅡでは、当館のポスター・コレクションのうち、ヒロシマ・アピールズを中心とした平和ポスターを展示しています。シリーズ23作目となる2020年版のテーマは『いのち』です。ぜひご鑑賞ください」と話している。