富山県は10月28日（金）～30日（日）、県の成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」を開催する。「しあわせる。富山」は、8月下旬に県内各所で催された「ビジョンセッション」の議論を踏まえたプログラムやテーマとなっており、成長戦略のビジョン「幸せ人口1000万～ウェルビーイング先進地域、富山～」の実現に向け、成長戦略を県内外に発信するイベントである。10月3日（月）から参加者の募集を開始しているということで、今記事では、「しあわせる。富山」の概要はもちろん、「ビジョンセッション」の開催結果についても、担当者に聞く。

富山県の新たな発展に向けた議論の場、「しあわせる。富山」

県は2021年2月、富山県の新たな発展に向けたビジョンや戦略を策定するため、「富山県成長戦略会議」を設置し、約1年間の議論を経て、「真の幸せ（ウェルビーイング）」を戦略の中核に据えた「富山県成長戦略」をとりまとめている。「しあわせる。富山」は、県内外の方々が連携して成長戦略の取組みを進める、きっかけ作りの場として、昨年度は3月12日から10日間に渡り、「ウェルビーイングを見つめる10日間」をサブテーマに掲げて開催した。担当者によると、当日は会場（富山国際会議場メインホール）とオンラインで合計約1,700名（会場参加約600名／オンライン参加1,100名）が集い、「これからの富山の姿」、「ウェルビーイングの向上に向けた取組み」などについて、県内外の参加者それぞれが考えを深める、有意義な機会となった。

今月開催の「しあわせる。富山」に先立って、8月に「ビジョンセッション」を開催

そしていよいよ今月末に控える2022年度版「しあわせる。富山」、こちらは「デジタルが可能にする、私たちのウェルビーイング」をサブテーマに、前年度（2022年3月）の開催をさらに発展・深化させた位置づけとなる。

今回の「しあわせる。富山」に先立って、8月22日から31日の日程で開催されたのが「ビジョンセッション」だ。「ビジョンセッション」では、「スタートアップ発掘大作戦」「地域を変えるコミュニティのつくりかた」「女性が『さらに』活躍する社会へ」「ものづくりとデジタルの化学反応」など成長戦略に関わる８つのテーマで、各分野をリードする出演者によるトークセッションが行われ、参加者がその出演者を囲む形で活発な意見交換が交わされた。

そして、「ビジョンセッション」を通じて抽出された成長のアイデアや地域課題を新たな政策やプロジェクト組成につなげる場が、「デジタルが可能にする、私たちのウェルビーイング」をサブテーマとした「しあわせる。富山」である。「デジタルの力で地方発のベンチャーの可能性が高まる今、スタートアップを増やすには、東京発ではなく地方発のベンチャー企業に学ぶべき」「若い女性の県外流出を食い止めるためには、キラキラした女性の地方ライフスタイルを確立し、浸透させるべき」といった8月の議論が、「しわせる。富山」の各トークイベントのテーマの土台として設定されているという。また、「県内のDX化を進めるには、県内の情報通信系企業等と県内ものづくり企業等とのマッチング機会が必要」との「ビジョンセッション」での提案を踏まえ、県内でのDX推進事業の受発注に向けた課題解決やニーズの掘り起こしための企業交流イベントも実施されるとのことだ。

「幸せ人口1000万」に向けたムーブメントを肌で感じるチャンス。

満を持して実現する2022年度版「しあわせる。富山」は、10月28日（金）夕方から30日（日）の3日間の開催を予定しており、10月3日（月）から参加者の募集を開始している。

担当者に詳細を聞くと、当日は、デジタルを使って大進化を遂げた「奇跡の工場」ヒルトップや、堀江貴文氏が主宰するオンラインサロンから生まれた“地方活性型エンタメパン屋”「小麦の奴隷」など、各分野の最前線で活躍する県外の著名な事業者を招き、トークセッションが行われる。28日の「とやま自遊館ホール」での県民参加型のイベントを皮切りに、29、30日は南砺市井波の「瑞泉寺」に会場を移し、富山の歴史文化を感じながら、出演者・参加者が車座になってクリエイティブな議論を交わすとのことだ。県内外の方々との連携を強化し、新たな政策やプロジェクト組成のきっかけの場として、一層の議論の深まりが期待されている。

応募の条件は「特にない」とのことで、担当者は「すでに県内で何らかの取組みを実践されている方はもちろん、関心はあるがアクションしていない方、ちょっと気になるテーマがあるという方まで、広く参加いただきたいです！」と呼びかけ、「幸せ人口1000万～ウェルビーイング先進地域、富山～」の実現に向けた、オール富山での取り組みに期待を寄せた。まずは「興味関心」というきっかけからのフル出席、目指してみよう。