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2022年 8月 26日 [ トピックス ]

No.1057:2年をかけ、待望のデビュー!「とやま和牛 酒粕育ち」の「旨み」に迫ってみた

富山県は、去る7月19日、令和2年度からブランド化に向けての取り組みを重ねてきた新たなブランド和牛の名称を「とやま和牛 酒粕育ち」に決定したと発表。
記事では、新たなるご当地和牛の詳細と魅力、誕生までの経緯や今後の展開を担当者に聞く。

●新たなブランド和牛、「とやま和牛 酒粕育ち」の魅力


▲決定したロゴマーク


▲試食の様子


▲料理の写真

「とやま和牛 酒粕育ち」とは、その名の通り、富山県産の「酒粕」をえさとして与えた和牛で、県が令和2年度~3年度に実施した給与実証の結果では、最高級A5ランク比率が87%(R3年全国平均:55%)だった。また官能評価でも「ジューシーで柔らかく、脂の甘味が強い」との高評価を得て、“新感覚の高級ブランド牛”の地位を手に入れた。

名称と併せて発表されたロゴデザインは、和牛をイメージしたシルエットに、原料の酒米の「米」の文字を放射線状に配置し、8つに分割された部分は肉質等級が5等級と格付けされる肉の色を、口元の菱形は、栄養豊富な酒粕を表している。

名称発表会では、県内の著名なシェフ3名による趣向を凝らした料理(「内もものローストビーフ 酒粕マリネ」「リブロースのポシェ 塩こうじソース」「イチボの炭火焼 夏野菜のティヤン プロバンス風」)が振舞われ、各参加者からは「感動の味」「風味が素晴らしい」など感嘆の声が聞かれた。

●フードロス対策と資源循環の取組みを両立


▲酒粕を食べる牛たち

今回のブランド開発のきっかけは、令和2年度に富山県酒造組合から受けた「酒粕」の有効利用の提案だが、実際には平成29年度から、家畜のえさとして利用可能な未利用資源(エコフィード)の調査と畜産農家へのマッチング活動を実施しており、その中で至った発想とのこと。今回のデビューまでの実際の道のりは、2年よりも長く、深いものと言える。

日本酒の製造過程で発生する「酒粕」は、近年の食生活の変化で食用としての利用量が減少しているが、栄養豊富な発酵食品だ。「えさ」としての「酒粕」の利用は、アルコール成分で牛の食欲を増進し、食肉としての栄養と旨味に貢献する。そして、一次的なフードロス対策に留まらず、その健康な牛の堆肥で美味しいお米を育て、その美味しいお米で美味しい日本酒を作る…農業、畜産業、酒造業に“旨み”をもたらす「三方よし」を実現し、「SDGs」にも繋がる「地域循環型」の仕組みとなっている。

担当者は、注目こそが「生産者の意欲向上につながる」とし、「増頭や規模拡大につながるきっかけになれば」と地域ブランドとしての継続、その先の全国展開まで期待を寄せる。そんな未来の早期実現に向け、「まずは飲食店や小売店など、県内での取り扱い先を増やす必要があった」そうで、それぞれのお店まで実際に足を運び、各店主に直接「とやま和牛 酒粕育ち」の魅力を伝えるなど、好スタートに向けた下準備を重ねてきたという。

●ついに一般販売、提供開始。そして富山から全国へ。

7月22日には「初せり」が行われ、いよいよ市場に出回った「とやま和牛 酒粕育ち」。今年度は9戸の生産者がこの取り組みに参加し、県内の全和牛出荷頭数の3分の1にあたる200頭の出荷を見込んでいるという。今年8月時点では7つの小売店で販売し、20の飲食店で提供されているが、詳細は「JA全農とやま」のホームページで随時チェックしてほしい。

既に「肉質はお墨付き」だが、「さらに新たな特長を見出し、進化を続けていきたい」と担当者は今後を見据える。取材最後には、「特別な日にこそ相応しい富山発の新ブランド「とやま和牛 酒粕育ち」を、今後とも応援よろしくお願いします。」と、読者に向けて、呼びかけた。

【問合わせ先】
富山県農林水産部 農業技術課
TEL:076-444-3288
FAX:076-444-4409

「とやま和牛 酒粕育ち」について
https://www.zennoh.or.jp/ty/product/sakekasusodachi/

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