「くらしたい国、富山」推進本部は、子育て世代の移住促進を図るため、「子どもとくらしたい国、とやま」ガイドブックを発行した。同内容は特設サイトにおいても公開中。先輩移住者の声、子育て目線でセレクトした県内スポット情報などを掲載している。また、移住準備のために来県する際の交通費を助成する「とやま移住支援交通費助成制度」がスタート。県外在住者の富山移住を応援する。

●子育て世代から注目されている富山

　移住やUIJターン就職に関する総合窓口「富山くらし・しごと支援センター」による相談体制の充実、移住セミナーや体験ツアーの開催など、県内への移住促進の取組みを加速させている富山県。直近のデータを紹介すると、2018年度に県外から富山へ移住した人は905人と、17年度を176人上回り、過去最多となり、世帯主の年齢は20～40代が全体の84％を占めた。

　県では、子育て世代の移住をより推進するため、富山の子育て環境のよさをわかりやすく伝える「子どもとくらしたい国、とやま」ガイドブック(B5判、20頁、オールカラー)を発行した。「私たちの移住STORY」では、富山で子育てを楽しむ移住の先輩たち、3家族に移住の経緯や暮らしぶりをインタビュー。2011年に長野県から黒部市へ移住後、15年に高岡市に引っ越して酪農を営む青沼さん夫妻は、自然豊かな土地で牛やヤギを飼育する中で3人の男の子をたくましく育てている。「酪農の仕事も地域もまだまだ良くなる可能性がある。次世代に繋ぐことを考えて、今自分たちにできることを一生懸命やっていきたい」と語る。

　「3家族が大集合！ざっくばらんに座談会」では、富山への思いや子育てについて語り合った。「晴れの日に見える立山連峰の美しさは格別ですね」、「一度壁を乗り越えると、家族みたいに仲良くなる人が多いと思います」、「育児に協力的な家族が多い印象があります。保育園の待機児童も0人ですよね」、「富山では地域によってそれぞれの暮らし方があるので、自分に合った場所で、さらにそこで生活していく覚悟さえあれば楽しく暮らしていけると思います」と、富山移住を考えている人にメッセージを送る。

　このほか、持ち家率・家の面積(1住宅あたり延べ面積)全国1位、学校での特色ある取組み、豊かな自然環境など、全国トップクラスの子育て環境をデータで紹介する「富山で子育てするといいこといっぱい！」、先輩移住者のママさん、パパさんが移住×子育ての不安や疑問に答える「教えてママパパ！Ｑ＆Ａ」、子育て目線でセレクトした県内おでかけスポットを紹介する「子どもと一緒に行きたい！SPOT」などのコーナーもある。

　特設サイト「子どもとくらしたい国、富山」では、本冊子の内容のほか、県と県内15市町村が実施する子育て支援制度を、市町村別のほか、妊娠・出産といったライフステージ別、子どもの就学段階別に紹介している。

●移住活動時の交通費を助成

　県は、県内への移住を検討している県外在住の方を対象に、移住の準備のために来県する際の交通費を助成する「とやま移住支援交通費助成制度」を新たに開始した。就職のための企業訪問や合同企業説明会への参加、不動産事業者・空き家などの住まい探し、先輩移住者・地域住民への訪問、県・市町村などが実施する移住に関するツアーへの参加などが対象となる。補助対象経費は居住地から県内目的地までの往復交通費(1往復分)で、鉄道、高速バス、船舶、航空機での移動に限る。補助率は1/2で、補助限度額は10,000円/人(1世帯当たり2人まで、年度内1回限り)。詳細は、富山県ホームページにアクセスを。

　「とやま移住支援交通費助成制度」と一緒に、富山県定住コンシェルジュによる来訪プラン作成、現地案内を活用してみてはいかがだろう。富山くらし・しごと支援センター・富山オフィスでは、移住や現地案内についての相談(電話、メール、スカイプなど)を受けると、県内の市町村と連携し、オーダーメイドでプランを作成する。来訪者はそのプランをもとに、コンシェルジュの案内でとやま暮らしを体感できる。対象など詳細は富山くらし・しごと支援センター富山オフィスへ問い合わせを。

　富山県移住・UIJターン促進課では、「『子どもとくらしたい国、とやま』ガイドブックを1,000部発行し、東京、大阪、富山の富山くらし・しごと支援センターの各オフィスや、首都圏等での移住セミナー・フェアで配布します。富山の子育て環境のよさや、住みよさを多くの方々に知っていただきたいです。また、“とやま移住支援交通費助成制度”を活用して、ぜひ富山にお越しください」と話している。