県育成のチューリップ新品種で、2018年12月に品種登録された「白天使(しろてんし)」、「恋(こい)のはじまり」が今秋から一般販売される。今春の「2019となみチューリップフェア」で展示、注文を受け付ける。一足先に春！日本橋とやま館では「日本橋とやま館　チューリップフェア」を開催中＜3月3日(日)まで＞。フラワーデザイナー・花千代さんによるチューリップインスタレーションなどが楽しめる。

●ロマンチックなネーミング、「白天使」、「恋のはじまり」

　雪の中で富山の大地にしっかり根を張り、春の陽光を浴びて元気に育つチューリップ。数多くの花の色や愛らしい姿形が魅力だ。富山県はチューリップ球根の出荷量が日本一。産地ならではのオリジナル品種を揃えている。

　新品種の「白天使」は、先が細くなるユリのような花びらを持ち、ユリ咲きとしては数少ない白色。茎葉が強健で、茎長が22～25㎝とチューリップとしては短く、曲がりにくいことから、花壇植えに適している。促成栽培が可能で、1月出荷の鉢花にも適する。名前の由来は、花弁の様子が天使の羽を広げた姿を想像させることから。

　「恋のはじまり」は、花びらの紫桃色の濃淡が魅力。桃色系の花色と、春のそよ風で揺れる姿が恋の始まりをイメージさせることから名付けられた。こちらも茎葉が強健で、茎長が短く、曲がりにくいことから、花壇植えに適している。

　この2品種の名称は、2016年7月に「チューリップ新品種命名検討委員会」で、生産者や農業関係者らから応募のあった257点の名称案の中から選考された。県は1990年代前半から開発に取り組み、2016年9月に、国に品種登録申請を行い、2018年12月に登録された。これで県が育成したチューリップは「白天使」が34品種目、「恋のはじまり」が35品種目になる。

　どちらも、毎年国内外から約30万人が訪れる「2019となみチューリップフェア」＜4月22日(月)～5月5日(日・祝)、砺波チューリップ公園＞で展示され、県花卉球根農業協同組合が、数量限定での注文を受け付ける予定だ。今年6月頃に球根を収穫し、9月以降に発送となる。

　県農産食品課では、「『白天使』は白のユリ咲きで希少価値が高い品種。『恋のはじまり』は2月出荷の鉢花に適しています。一足早い春のプレゼントとして贈ってみてはいかがでしょうか」と話している。

●チューリップインスタレーション～花千代×河原シンスケ

　日本橋とやま館では、「日本橋とやま館チューリップフェア」が開催中＜3月3日(日)まで＞。洞爺湖G8サミット(2008年7月)の公式晩餐会の会場装花を手がけたフラワーデザイナー・花千代さんによる富山直送のチューリップを使用したインスタレーションが日本橋とやま館の交流スペースを華やかに彩っている。今回はパリを拠点に活躍するアーティスト・河原シンスケさんとのコラボレーション。テーマは日本橋とやま館イースター「春の訪れ！チューリップとイースターラビット」。イースターとは春を告げるヨーロッパの祭り。富山のチューリップとイースターラビットに春のぬくもりを感じてみよう。

　2月23日(土)・24日(日)＜両日11:00～＞には、生産者の組織である砺波切花研究会による「チューリップ切り花PRとプレゼント」を開催。アンケートに回答すると、各日先着100名にチューリップの切り花をプレゼントする。

　23日(土)19:00～21:00のトークイベント「クリエイターズトークVol.28　なぜ富山のチューリップは日本一？」も楽しみだ。富山のチューリップの知られざる歴史や魅力をゲストの花千代さんが語る。トークの後は富山の地酒とおつまみで乾杯。プレゼント企画もある。参加費は2,000円(富山の地酒とおつまみ付き)。申込みは、日本橋とやま館ホームページにて。

　日本橋とやま館では、「国内外で活躍されている花千代さんが手がけたチューリップインスタレーションが館内を彩っています。ぜひ、富山の春を感じに足をお運びください」と話している。