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2018年 9月 12日 [ トピックス ]
No.873:富山県内でロケ!本格時代劇「散り椿」、9月28日公開
●心を揺さぶる“美しい時代劇”
映画「散り椿」は直木賞作家・葉室麟氏の同名小説を映画化した時代劇。朴訥で不器用だが、清廉に生きようとする侍たちの“凛とした生きざま”、そして愛する女性のために命を懸けて闘う“切なくも美しい愛の物語”をテーマに、主演を岡田准一が務め、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子らが脇を固める。
木村大作監督にとって富山県内でのロケは、監督を務めた映画「劔岳 点の記」(2009年)、「春を背負って」(2014年)、撮影を担当した「追憶」(2017年)に続き4作目となる。初監督作品の「剣岳 点の記」では第33回日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝き、撮影助手としてスタートした映画人生60年目の節目の年に本作に挑んだ木村監督。「富山には詩情を感じさせる景観がたくさんある」と絶賛するだけあって、スクリーンに富山のどのような風景が登場するか楽しみだ。
物語を紹介しよう。江戸・享保15年。かつて藩の不正を訴え出たが認められず、故郷・扇野藩を出た瓜生新兵衛(うりゅうしんべい)(岡田准一)は連れ添い続けた妻・篠(麻生久美子)が病に倒れた折、彼女から最期の願いを託される。「采女(うねめ)様を助けていただきたいのです…」と。采女(西島秀俊)とは、平山道場・四天王の一人で新兵衛にとって良き友であったが、二人には新兵衛の離郷に関わる大きな因縁があったのだ。篠の願いと藩の不正事件の真相を突き止めようと、扇野藩に戻った新兵衛。篠の妹・坂下里美(黒木華)と弟・藤吾(池松壮亮)は、戻ってきた新兵衛の真意に戸惑いながらも、凛とした彼の生きざまにいつしか惹かれていくのだった。散り椿が咲き誇る春。ある確証を得た新兵衛は、采女と対峙することになる。そこで過去の不正事件の真相と、切なくも愛に溢れた妻の本当の想いを知ることになるのだった。しかし、その裏では大きな力が新兵衛に迫っていた―。
●散り椿ロケ地マップを片手に富山をめぐろう
木村監督は「富山県には時代劇が撮れる土壌がある」と言い、撮影は2017年5~7月、ほとんどが県内で行われた。「地方大名の話は、雅な京都より素朴な風情がある富山の方が合っている」と話す監督。作られたセットにはない「本物」を感じさせる歴史や文化が富山にはあるからだ。
ロケ地をいくつか紹介しよう。冒頭、新兵衛が一人歩くシーンは、「ひみ寒ぶり」で全国に知られる氷見市の薮田漁港付近で撮影が行われた。猛暑の中、土塀が続く家並みに雪を降らせる演出だった。
開山700年を超える臨済宗国泰寺派の大本山「摩頂山 国泰寺(まちょうざん こくたいじ)」(高岡市)では、寺の庫裏で新兵衛と篠の居宅シーンが撮影された。飛騨の匠による見事な彫刻が山門や鐘楼堂を飾る「長松山 本法寺(ちょうしょうざん ほんぽうじ)」(富山市)では、山門前などで新兵衛が襲われるシーンの撮影が行われた。
「豪農の館 内山邸」(富山市)は采女の居宅のロケ地。木村監督が邸内で偶然見つけた「散り椿」(五色八重散り桜)の古木がある。新兵衛と采女が散り椿の前で剣を交えるシーンは圧巻だ。
常願寺川に架かる立山大橋(富山市・立山町)の下では16頭の馬が駆け抜ける迫力のあるシーンが撮られた。栂並木で知られる「眼目山立山寺(がんもくざん りゅうせんじ)」(上市町)の参道は、新兵衛が馬に乗って子どもを助けるシーンや、里美が新兵衛を追いかけるラストシーンの舞台。木村監督が「俺の道」と呼ぶ剱岳のビュースポット(上市町)では、若殿が扇野藩に戻ってくる馬上のシーンが撮影された。
なお、「散り椿」は第42回モントリオール世界映画祭で、「黒澤明監督を思い出した。絵画のような場面の連続だった」と評価を受け、審査員特別賞を受賞した。
富山県ロケーションオフィスは、「ロケハンから実際のロケ支援まで、幅広く協力しました。また、映画公開に合わせ、ロケ地マップを含む特別冊子が発行されます。全国の主要映画館のほか、県内観光施設、東京の日本橋とやま館などで配布します。木村監督が「今までの時代劇にない新鮮な風景が撮れた」とおっしゃっていますので、映画鑑賞後は、ぜひ富山県内のロケ地を訪ねて歴史めぐりをお楽しみください」と話している。
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●富山県ロケーションオフィス
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