純白の雪の壁、茅葺き屋根の合掌造り……「ミシュラン・グリーンガイド富山ＷＥＢ版」(英語版・仏語版、日本ミシュランタイヤ(株))が公開された。三つ星評価の「立山黒部アルペンルート」、「雪の大谷」、「世界遺産五箇山合掌造り集落」を含む、県内の観光地・観光施設45カ所が掲載されている。今後、欧米豪など海外の旅行市場への効果的な情報発信の手段としての活用が期待される。

●県内45カ所の観光地・観光施設掲載

　フランスのタイヤメーカーであるミシュランが100年以上前から発行している「ミシュラン・グリーンガイド」は、豊かな自然や多彩な文化に触れることができる興味深い観光地や観光施設を紹介しており、特に欧米の旅行者が旅行地を選ぶ際によく参考にしている。その日本版である「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」は、2009年から発行されており、現在は改訂第4版(英語、仏語版)となっている。

　今回、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」改訂第4版に掲載されている富山県内の観光地・観光施設に、新たに39カ所の情報を追加した「ミシュラン・グリーンガイド富山ＷＥＢ版」(英語版・仏語版)が、ミシュランの公式旅行サイト(仏語版・英語版)である「travel.michelin.com」内の日本のトップページに「ＴＯＹＡＭＡ」特集ページとして公開された( 仏語版、 英語版)。

　ＷＥＢ版公開にあたっては、ミシュラン・グリーンガイドの編集者が実際に県内を取材し、旅行者へのお薦め度という観点で評価を分類。2009年に選定され、「トヤマ・ジャスト・ナウ」でも紹介した 「世界遺産五箇山合掌造り集落」に加え、「立山黒部アルペンルート」、「雪の大谷」、の県内3カ所が最も高い「三つ星(わざわざ旅行する価値がある）」評価を受けたほか、7カ所が「二つ星(寄り道する価値がある)」、18カ所が「一つ星(興味深い)」と、計28カ所が星付きで紹介されている。

　いくつか紹介しよう。
国宝「瑞龍寺」の二つ星、「高岡市」、高岡鋳物発祥の地「金屋町」、産業観光の拠点となっている鋳物メーカー「能作」の一つ星、ユネスコ無形文化遺産に登録された曳山行事を紹介する施設「城端曳山会館」、「高岡御車山会館」の一つ星など、富山県の歴史や伝統文化・産業などの分野についても高い評価を受けた。

　さらに、「雨晴海岸」や「ヒスイ海岸」の一つ星など、世界で最も美しい湾クラブへの加盟が承認された富山湾の美しい景観、今夏に開館したばかりの「富山県美術館」(一つ星)も高く評価された。

　取材を担当したフランスのミシュラン・グリーンガイドの編集者は、「富山県が見せる様々な顔がとても魅力的でした。美しい山並みの景色、驚くような立山黒部アルペンルート、そして富山湾。職人技や遺産、山車、温泉、多種多様な食べ物など、興味深いものがたくさんあります。日本の真ん中あたりを旅行する外国人旅行客は、富山県を旅程に加えれば、とても楽しい思い出を作ることができるでしょう」と、富山での取材旅行の感想を述べている。

●「立山黒部」の世界ブランド化に追い風

　今回、「立山黒部アルペンルート」と「雪の大谷」の三つ星、「黒部ダム」の二つ星、「黒部峡谷鉄道」、「宇奈月温泉」、「立山博物館」の一つ星など「立山黒部」エリアを代表する観光資源が高い評価を受けた。

　県では、「立山黒部」の雄大な自然に加え、産業、防災、歴史・文化などの魅力をより一層磨き上げ、世界中の旅行者から選ばれ続ける観光地とするため、「立山黒部」の世界ブランド化に取り組んでいるが、「ミシュラン・グリーンガイド富山ＷＥＢ版」公開により、「立山黒部」エリアの観光資源の魅力が世界中へ発信されることは、今後の「立山黒部」の世界ブランド化に向け、非常に力強い追い風になる。

　なお、今回ＷＥＢ版に掲載された観光地・観光施設の一部は、書籍『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』改訂第6版(発行日未定)にも掲載される予定だ。

　富山県観光振興室では、「ＷＥＢサイトの公開により、富山の観光地・観光施設の魅力が高い評価を受け、世界中の旅行者に発信されます。欧米豪市場への効果的な情報発信の手段として、このＷＥＢサイトを活用するなど、今後とも、富山の多彩な観光資源を活かし、さらなる観光振興に取り組み、選ばれ続ける観光地となるよう努めたい」と話している。

■ミシュラン・グリーンガイド富山WEB版URL

仏語版　http://voyages.michelin.fr/asie/japon/toyama/
英語版　http://travelguide.michelin.com/asia/japan/toyama/