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2017年 10月 4日 [ トピックス ]

No.826:国際北陸工芸サミット開催迫る!8つのツアーも参加者募集中

 いよいよ平成29年11月に全国で初めて、ここ富山での開催が迫った「国際北陸工芸サミット」(主催:富山県)。このほど「U-50国際北陸工芸アワード」のファイナリストが決定。また、シンポジウムには中田英寿氏も登壇する。さらに、その関係イベントとして一般の方向けに、富山の職人・作家との交流、制作体験、食の体験などが楽しめる8つの日帰りツアープログラム「とやま工芸の原点・いま・未来をめぐる旅」が企画されている。富山の豊かな自然風土が生んだものづくりや歴史、文化に触れられる絶好の機会なので、ぜひ参加しよう。各ツアー20名、参加者募集中。

●来月に迫ったサミット、北陸の工芸の魅力を世界へ


▲「とやま工芸の原点・いま・未来を
めぐる旅」のイメージビジュアル

 5月10日のトピックスNo.805でもお知らせした「国際北陸工芸サミット」は11月16日(木)~23日(木・祝)をコア期間に、文化庁と北陸三県(富山・石川・福井)が連携し、北陸の工芸の魅力を国内外に伝える催し。工芸の未来と可能性を創り出し、北陸から「新しい工芸ムーブメント」を発信するものだ。

 特に富山県では、国の伝統的工芸品に指定されている高岡銅器、井波彫刻、高岡漆器、庄川挽物木地、越中和紙のほか、歴史や伝統のある工芸品が盛んにつくられ、それをベースに新しい工芸の未来ビジョンや萌芽も生まれている。サミットは、富山の工芸の魅力に触れられる絶好の機会といえる。

 サミットは、「シンポジウム」<第1回目:11月18日(土)富山県美術館、第2回目:11月23日(木・祝)ウイング・ウイング高岡>や、「ワールド工芸100選」展<11月16日(木)~平成30年1月8日(月・祝)富山県美術館>、「巡回展示」<国際北陸工芸アワード優秀作品等の展示:平成30年1月中旬~2月上旬、高岡、富山、魚津>など、多彩なプログラムで構成される。

 「ワールド工芸100選」展は、世界の工芸の伝統とイノベーションをテーマに、世界各地の工芸の潮流と動向を紹介する企画。50歳以下の工芸に携わる作家、職人、デザイナーなどの若き「工芸人」を対象とした「U-50 国際北陸工芸アワード」の入選作品と、選考委員がキュレーションした作品、富山や北陸を代表する工芸作家の作品を合わせて100点以上展示する。


▲11月16日(木)~23日(木・
祝)をコア期間に開催される
「国際北陸工芸サミット」

 「U-50 国際北陸工芸アワード」には403件の応募があり、そのうち243件が海外からだった。このほど2次の審査を経て、ファイナリストが決定し、選ばれたのはエスメ・ホフマン氏(オランダ)、リ・ジョンミン氏(韓国)、マルチン・ルサック氏(イギリス)、安達大悟氏(日本)、川原隆邦氏(日本)、新里明士氏(日本)の6人。北陸のホスト(企業、工房、職人など)と協同で、新しい作品を創造する特別プログラムに参加する。11月22日(木)の最終審査で最優秀賞ほかが決定し、11月23日(木・祝)に表彰式を行う。

 なお、アワードの選考委員11名のうち1人は、元プロサッカー選手の中田英寿氏。現在は一般社団法人TAKE ACTION FOUNDATIONの代表理事を務める。中田氏はシンポジウムへの登壇も決定しており、石井知事とどのような議論を繰り広げるのか、興味深い。

●富山の多様なものづくりと、歴史・文化にふれる8つのツアー

 「とやま工芸の原点・いま・未来をめぐる旅」は、「国際北陸工芸サミット」の関連イベントとして一般の方向けに企画された8つの日帰りツアープログラムで、富山の伝統産業や工芸作家の工房・工場と、富山の自然風土・歴史・文化を体感できる。職人・作家との交流、実際の制作体験、その地域ならではの食の体験などが組まれている。観光ではない、深みのある体験ができるだろう。


▲ツアー2の螺鈿体験(左)、
ツアー5のガラス工房見学(中央)、
ツアー6の紙すき体験(右)

 8つのツアーを紹介しよう。

 1.「高岡の金工と、高岡鋳物発祥の地を訪ねる」<11月22日(水)>は、400年の歴史をもつ高岡鋳物に触れられるツアー。鋳造、鍛金、着色の3つの現場訪問をはじめ、錫のぐいのみの制作、金工作家の茶釜を用いたお茶席体験などが企画されている。

 2.「高岡の漆芸と、“動く美術館”御車山に出合う」<11月17日(金)>では、400年の歴史をもつ高岡漆器の世界へ。ユネスコの世界無形文化遺産に登録された高岡御車山祭で使用される御車山を展示する高岡御車山会館の見学や、青貝塗の工房での螺鈿体験、土蔵造りのまちの散策などが楽しめる。

 3.「越中小京都・城端に根付く工芸と、民藝の深い哲学に触れる」<11月17日(金)>は、安土桃山時代が起源とされる、城端の絹織物と城端蒔絵を受け継ぐ作り手や、民藝運動にゆかりのある善徳寺、光徳寺を訪ねる。

 4.「2つの木工芸(庄川挽物木地・井波彫刻)と棟方志功の住居を訪ねる」<11月19日(日)>は、木彫刻など職人の手技に出合うツアー。棟方志功記念館「愛染苑」では、板画家・棟方志功が戦時中に疎開していた福光の住居に描かれた絵を鑑賞できる。

 5.「売薬から発展した工芸と食を知り、北前船で栄えたまちなみを歩く」<11月23日(木・祝)>では、富山の薬とガラスにまつわる場所を訪ねたり、北前船で栄えた岩瀬のまちなみを見学したりする。昼食では、薬膳料理に舌鼓が打てる。

 6.「おわらの町・八尾の、美しい型染め和紙を訪ね歩く」<11月18日(土)>では、八尾和紙の伝統を守る桂樹舎での紙すき体験や、曳山展示館の見学、型染め紙が天井を彩る専能寺の拝観などが組まれている。

 7.「“神々が宿る山”立山の麓で、越中瀬戸焼と和紙の作り手に出会う」<11月22日(水)>は、立山信仰の史跡が数多く残る立山町を訪ねるツアー。立山博物館や雄山神社芦峅中宮祈願殿、越中瀬戸焼や和紙の製作所へ。和紙で立山信仰の護符を作る体験も。

 8.「室町から続く魚津漆器ほか、魚津・黒部の職人・作家とその作品に触れる」<11月19日(日)>は、魚津漆器、仏壇の伝統を受け継ぐ工房の職人と、大胆な発想で創作を行う日本画・巨大造形者の作家と作品に出会うツアー。朝日町のバタバタ茶のお茶会も体験できる。

 各ツアーの参加費やタイムスケジュール、申込み方法など、詳細は「とやま工芸の原点・いま・未来をめぐる旅」のホームページにアクセスを。

 富山県文化振興課では、「8つのツアープログラムでは、ものづくり体験など、深みのある体験ができます。時間が許せば、前後泊で県内をゆっくり探訪するのもおすすめです」と話している。

問合せ
●富山県生活環境文化部文化振興課
TEL.076-444-3436
FAX.076-444-8900
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1718/

●国際北陸工芸サミットホームページ
https://kogeisummit.jp/

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