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2017年 1月 25日 [ トピックス ]
No.791:富山の技術きらり! 第5回富山県ものづくり大賞決定
●独創的なアイデアと技術
大賞には、(株)日立国際電気 富山事業所<富山市>の「ナノ技術対応 最先端サーマルプロセス装置の開発」、優秀賞にアイシン軽金属(株)<射水市>の「新アルミ合金、新構造を適応した自動車用衝突安全システムの開発」、(株)能作<高岡市>の「シリコーン鋳型による錫100%の商品開発」、特別賞に(株)トヨックス<黒部市>の「ハイブリッドトヨロンホース(耐圧樹脂ホース)」、(株)フロンティア<富山市>の「電動式点字打刻機の開発」が選ばれた。
富山県ものづくり大賞は、平成22年度に創設。県内に本社、主な事業所、研究開発拠点などを置き、製造業を営む、ものづくり企業を対象に、概ね3年以内に開発された技術、製品を審査する。
第5回は、平成28年8月1日~9月30日の応募期間に、22企業24件の応募(自薦または工業会や経済団体等からの推薦による応募)があり、検討会による第一次検討会(書類審査)で10企業を選定。第二次検討会(10企業からのプレゼンテーションを受け、各賞受賞候補を選定)での結果を踏まえて、石井知事が受賞企業を決定した。
●高性能な半導体の製造を実現
(株)日立国際電気 富山事業所が開発した「ナノ技術対応 最先端サーマルプロセス装置」は、半導体の処理速度を上げるなど高性能化のために、ナノメートルレベルの微細な回路を製造する装置。従来の技術では微細化は限界を迎えたとされていたが、より高性能な半導体の製造を実現した。電流を制御(絶縁や誘導)するために必要な極薄膜を、半導体の細く、深い溝の奥まで均一な厚さで形成(サーマルプロセス)し、半導体を一度に大量に製造できる。同種の装置では世界トップシェアを誇り、今後、さらなるシェア拡大が期待できる。
●軽くて強いバンパー補強材
アイシン軽金属(株)では、高強度のアルミ合金を用いて、新たな形状への加工を行うことで、軽くて強いバンパー補強材(自動車用衝突安全システム)を開発した。アルミ合金は、強度を上げると割れやすくなるという問題があったが、合金成分を適正化することにより解決。また、強度と軽量化の両立を実現するために、アルミ合金製バンパー補強材の新たな断面形状を開発。さらに、自動車のデザインに応じた形状に加工するため、プレス加工を導入し、中央部から両端にかけて徐々に断面縮小させた形状へのバンパー補強材の低コスト加工技術を開発した。
●シリコーンゴム製の鋳型を開発
(株)能作では、錫100%商品の鋳造に用いられていた砂型に代わるシリコーンゴム製の鋳型を開発した。仕上げ加工の手間が減ったことで生産性が向上。さらに、デザイン面で複雑で繊細な表現が可能になったことで、多種多様な商品開発を実現した。東京の銀座、日本橋など全国の百貨店のほか、ニューヨーク、ミラノといった海外への出店など、事業展開が拡大。錫の特性を生かし、医療器具など新たな分野への開発にも取り組んでいる。
●小さく曲げても折れにくいホース
(株)トヨックスが開発した「ハイブリッドトヨロンホース」は、高剛性の樹脂線材を高精度で巻き付けた耐圧性能の高い樹脂ホース。つぶれにくく、小さく曲げても折れにくいなどの機能を兼ね備えている。構造は、柔らかい樹脂チューブ外側に高剛性の樹脂線材を一定間隔にバネ状に巻き、その上にポリエステル糸を交差させて補強し、さらに樹脂を被覆させる3層構造。高精度で加工するために、一定の張力で線材の巻き付けができる独自の設備を開発したことで、樹脂ホースの内面が凸凹にならない点も特長だ。
●高品質な点字を紙製品に
(株)フロンティアは、ボタンを押すだけの簡単な操作で、高品質な点字を封筒などの紙製品に打ち込める卓上型の「電動式点字打刻機」を開発した。福祉作業所で使用する加工機械としては国内初で、障害者の作業効率向上を実現した。県内では徐々に福祉作業所での利益の向上に結びついてきている。「富山モデル」の構築によって全国の福祉作業所での普及拡大と、障害者の待遇改善が期待されている。
富山県商工企画課では、「受賞した技術・製品は今後シェア拡大、成長が期待できるものばかりです。2月13日(月)15:00~16:40、ANAクラウンプラザホテル富山で表彰式を行います。賞状授与式に先立ち、受賞企業による受賞技術・製品についての報告会があります。どなたでも入場できます。富山のものづくりにぜひ触れてください」と話している。
- 問合せ
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●富山県商工労働部 商工企画課
TEL.076-444-3245
FAX.076-444-4401
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1301/