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2016年 4月 20日 [ トピックス ]
No.753:富山の伝統工芸品、流行の先端地・ミラノに上陸
●ミラノ・トリエンナーレ国際展に「TOYAMA JAPAN」
「ミラノ・トリエンナーレ国際展」は、デザインやファッション、建築などをテーマに、1923年に始まった展覧会で、今回が21回目となる。メイン会場のトリエンナーレ美術館をはじめ、レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館、ミラノ工科大学など、ミラノ市を中心に19カ所が会場となっている。
富山県は昨年参加したミラノ国際博覧会における「富山県の日」(8月1日、2日)に合わせ、ミラノ市中心部にあるトリエンナーレ美術館で「富山県伝統工芸品展示会」を開催。アンドレア・カンチェラート館長からデザインや技術面で高く評価され、今回のトリエンナーレ国際展への出展を提案された。富山県にとっては初めての出展であり、また、メイン会場のトリエンナーレ美術館での展示は、国単位ではシンガポールや韓国がブースを設けているなか、日本からは自治体である富山県のみとなっており、本県の工芸品への関心の高さがうかがえる。
富山県の会場は、1階部分の約110㎡。国指定伝統的工芸品の高岡銅器、高岡漆器、井波彫刻、庄川挽物木地、越中和紙をはじめ、とやま土人形など県内の伝統工芸品79点が展示されている。いずれもデザイン性に優れたものばかりだ。壁には、「TOYAMA JAPAN , Design of ripples and resonance, a sound landscape from Toyama」というタイトルとデフォルメされた立山連峰のイラスト。「日本の富山 波紋と共振のデザイン 富山の音風景」と直訳できそうだ。冒頭のインスタレーション(※)は、高岡銅器の「おりんベル 銀河」(山口久乗)。おりんとは、楽器にもなる仏具(銅合金製)で、叩くと心の底に響く音が心身をやさしく包んでくれる。「おりんベル 銀河」は2オクターブ25音セット。音には「f分の1のゆらぎ」がある。脳波にアルファー波を増幅させ、人の心を穏やかな気持ちにさせる癒しの効果が期待できるようだ。なお、おりんの音は、高岡駅、北陸新幹線・新高岡駅の発車メロディーに採用されている。
※インスタレーション…展示空間を含めて作品とみなす手法
●ミラノっ子、おりんや風鈴のスピリチュアルな音色を楽しむ
富山県のブースでは、宙に螺旋状に浮かぶ「おりん」や、たくさんの「風鈴」(能作)のインスタレーションが目を引く。「日本的な和の音がすばらしい」と好評だ。フロアには高低差のある5つの展示台とショーケース。「Pray/Celebrate(祈る/祝う)」、「Dwell/Stationary(住む/文房具)」、「Eat(食)」、「Decorate(装飾)」、「Adorn/Health(飾る/健康)」のテーマ別に伝統工芸品が並ぶ。「Pray/Celebrate」では、井波彫刻の雲棚、山口久乗の虹シリーズ、本保のkasanari 六具足シリーズ、ハシモト清のガラス製具足 SHIN、大寺幸八郎商店の干支シリーズ、松井機業のJOHANASしけ絹のご祝儀袋、とやま土人形工房の干支の土人形がディスプレイされている。
「Eat」では、ナガエのSHIKICOLORS(酒器)、四津川製作所の Kisen Guinomi Sake Cup、織田幸銅器のRED&WHITE、天野漆器の螺旋グラス、DEN重箱、箸置き、SHIMOO DESIGNのkazaridai、能作のKAGO、小鉢、箸置き、二上の鍋敷き、栓抜き、シマタニ昇龍工房のすずがみ、ころがずらりと並ぶ。会場には、寺院用の鉢型の鳴物「磬子(けいす)」や、富山県の観光ポスター「富山で休もう。」の展示もある。
ミラノでは世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ」が4月17日まで開催されていたが、その足でトリエンナーレ国際展に来場する人も大勢いたようだ。日本の伝統工芸に初めて触れ、食い入るように見つめる来場者の姿が印象的だ。
富山県商工労働部経営支援課では、「富山の優れた伝統工芸品を世界にPRし、海外販路開拓を支援するため、トリエンナーレ国際展に出展しました。新しい感覚を取り入れたデザイン性の高い工芸品を使ったライフスタイルを提案したい。6月にはミラノで商談会も予定しています」と話している。
今回紹介した工芸品の一部は、JR高岡駅、新高岡駅、高岡地場産業センター、D&DEPARTMENT TOYAMAなどで購入することができる。世界的にも評価された富山の伝統工芸品を、実際に手に取ってみてはいかがだろう。
- 問合せ
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●富山県商工労働部 経営支援課
TEL.076-444-3249
FAX.076-444-4402
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1300/