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2015年 12月 9日 [ トピックス ]

No.735:富山の伝統工芸・クラフトにズームイン!『ロカルちゃ!富山』

 ディープな富山の魅力をテーマ毎に紹介する情報誌『ロカルちゃ!富山』が発行された。Vol.17となる今回のテーマは「伝統工芸・クラフト」。富山の伝統工芸・クラフトをテーマに、見て、触れて、体感できるスポットや注目の手職人、おすすめの土産品などを紹介。『ロカルちゃ!富山』で伝統工芸の世界に触れ、県内各地をめぐってみてはいかがだろう。

●工芸ワールドへの誘い


▲『ロカルちゃ!富山vol.17
(伝統工芸・クラフト編)』

 表紙を飾るのは、飛鳥時代から続く木工技術「組子」の写真。釘を一切使わずに木を組む精緻な技に圧倒される。和の情緒と気品、優雅さが漂い、まるでアート作品のようだ。職人魂が伝わってくる。高級ホテルや空港など国内外の商業施設に販路が拡大しているのもうなずける。

 巻頭特集では、“400年の歴史を持つ「高岡鋳物」”をクローズアップ。高岡鋳物は、1609年に加賀前田家2代当主の前田利長が高岡を開町して奨励した産業の1つだ。富山県民が多数参加した北海道開拓の鉄具や、大量の鰊(にしん)を煮る際に用いられた鰊釜需要などによって全国に知られるようになったという。高岡鋳物発祥の地、金屋町の石畳の通りには千本格子の古い家が建ち並んでいる。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている町をゆっくり散策したい。

 本誌では、金屋町の歴史やCRAFT体験工房、高岡市鋳物資料館などを紹介。鋳物工房利三郎では、型に好みのデザインを刻み、錫を流し込んで風鈴や文鎮、箸置きなどを制作できる。「TOYAMA CRAFT GOURMET」のコーナーでは、錫のぐい呑みや銅製のカップなど高岡鋳物で地酒やスイーツ、ランチが味わえる市内の店も掲載しているので、ぜひ訪れてみよう。「注目の手職人」のコーナーでは、金工家と釜師が作品への思いなどを語っている。

●職人の卓越した技、美の世界を紹介

 “木と伝統工芸の調和 漆器・彫刻・組子”では、白を基調にした美しい色彩が特徴の「城端(じょうはな)蒔絵」(南砺市)、青貝塗・彫刻塗・勇助塗の3つの技法を伝える「高岡漆器」、南砺市の井波別院瑞泉寺に由来して誕生した「井波彫刻」のほか、細くひき割った木に溝・穴・ホゾ加工を施し、釘を一切使わずに木を組む「組子欄間」<(株)タニハタ>(富山市)を紹介。職人の卓越した技、伝統工芸の美しさに驚かされる。

 “砂と土が生み出す芸術作品 ガラス・陶器”では、2015年8月に富山市中心部にオープンした富山市ガラス美術館や、ガラス制作体験が楽しめる富山ガラス工房などを紹介している。富山といえば売薬で知られるが、富山市では、戦前、中心部に溶解炉を持つガラス工場が10社以上あり、ガラスの薬瓶を製造していたことに由来し、ガラスの街づくりを進めている。市美術館や市立図書館などが入る「TOYAMAキラリ」は建築家・隈研吾氏の設計。アルミやガラス、御影石短冊状パネルを散りばめて立山連峰の山ひだをイメージした建物や県産材の羽板を活用した内装もぜひ見てほしい。

 このほか、4つの窯元が作陶を続けている越中瀬戸焼(立山町)を紹介。米国・アップル社の故・スティーブ・ジョブズ氏もファンで、実際に収集していたという。越中陶の里 陶農館では陶芸体験、絵付け体験もできるので越中瀬戸焼の神髄に迫ろう!

 “厳しい風土が逸品を育む 和紙・織物”では、奈良時代の正倉院文書に「越中国紙」として記された「五箇山和紙」(南砺市)、「蛭谷(びるだん)和紙」(朝日町)、「八尾和紙」(富山市)をクローズアップ。それぞれの歴史や特徴を紹介している。2015年春にリニューアルした富山県民会館の1階ロビーの壁面と柱には蛭谷和紙が用いられているので鑑賞を。

 江戸時代から明治期にかけて絹生産が盛んだった「城端絹織物」(南砺市)。松井機業では、2頭の蚕から生み出される絹糸で織り上げる「しけ絹」を使ったシェードや襖紙などを作っている。シェードによって、森の中の木漏れ日のようなやさしい光になるという。じょうはな織館では、織り機を使って織物の制作体験もできる。

 また、本誌では、経済産業省の事業で日本が誇るべき地方産品等を認定し、世界に広く伝える「The Wonder 500(TM)」(経済産業省)に選ばれた富山の20の地方産品のうち、錫100%で軟らかく、籠やワインホルダーなどになる「KAGO-スクエア-L」<(株)能作>、自家栽培の五箇山楮が醸し出す力強さと和紙独特の温もりを感じさせる「カードケース」<五箇山和紙の里>なども紹介。富山の伝統工芸の魅力を伝えている。


▲“木と伝統工芸の調和 漆器・
彫刻・組子”のページ(左)
▲“砂と土が生み出す芸術作品
ガラス・陶器”のページ(中央)
▲“厳しい風土が逸品を育む
和紙・織物”のページ(右)

 『ロカルちゃ!富山』はA4判、オールカラー、12ページ。県外では、東京・有楽町の「いきいき富山館」、伝統工芸青山スクエア、横浜市の物産・観光プラザ「かながわ屋」、京都国際工芸センターなど、県内ではいきいきKAN(富山駅前CiCビル5階)、観光案内所、道の駅、富山きときと空港などで配布中。とやま観光ナビからWEB版(http://www.info-toyama.com/doc/loculture)も配信中。PDFデータをダウンロードして、スマートフォン、タブレットでも楽しめる。

 富山県観光課では、「北陸新幹線の富山駅には八尾和紙を挟み込んだガラス、新高岡駅には五箇山和紙と氷見産・利賀産スギの飾り柱、黒部宇奈月温泉駅には蛭谷和紙を挟み込んだガラスなど、富山の工芸技術が活かされています。本誌では、釜師や彫刻師など各分野の注目の手職人を紹介しました。実際に伝統工芸を見て、触れて、そのスゴ技を感じ取ってください」と話している。


▲富山の「The Wonder 500(TM)」や
新幹線駅を紹介

 なお、この『ロカルちゃ!富山vol.17(伝統工芸・クラフト編)』を抽選で20名様にプレゼントします。プレゼント応募フォームに、プレゼント内容『ロカルちゃ!富山』・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号・記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。<12月13日(日)締切。発表は発送をもって代えさせていただきます。>

問い合わせ
●富山県観光・地域振興局 観光課
TEL.076-444-3517
FAX.076-444-4404
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1401/
http://www.info-toyama.com/

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