ハリウッド映画顔負けの爆破シーン、アクションで、大ヒット上映中の映画「脳男」。昨年夏に県内各地で大々的にロケが行われたことから、富山のシーンが随所に登場する。映画鑑賞後は実際に富山を訪れ、ロケ地の風景を楽しみ、美味しいものに舌鼓を打とう。

●富山を舞台にした迫力シーンをスクリーンで

　火柱が上がる爆破シーン、躍動感あふれるアクションとともに人間ドラマを描き、全国で大ヒット上映中の映画「脳男」(瀧本智行監督、配給：東宝)。スクリーンに富山の街並や風景が登場するからお楽しみに。映画鑑賞後は実際に富山を訪れ、ロケ地の風景を眺め、撮影スタッフを魅了した美味しいもの、グルメ店をぐるりとめぐりたい。

　「脳男」は、第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於さんの同名小説を映画化。卓越した知能と肉体を持ちながら、人間としての感情を持たない主人公(生田斗真)が法で裁くことのできない悪を退治するバイオレンスミステリー。2月9日公開直後の3日間で動員約22万人、翌週には累計動員45万人以上を記録している。

　ストーリーを紹介すると、都内近郊で無差別連続爆破事件が発生。刑事・茶屋(江口洋介)が踏み込んだ犯人のアジトで、身元不明の男(生田)が発見された。共犯者と見なされ、精神科医・真梨子(松雪泰子)による精神鑑定を受ける。男・鈴木一郎は正義のために犯罪者を抹殺する殺人ロボット、“脳男”と呼ばれていた。精神科医はどんな人間でも必ず人間性を取り戻せると信じるが……。連続爆弾魔と脳男の関係、脳男の謎に挑む精神科医、爆弾魔を追う刑事の運命……ハリウッド映画にも引けをとらないアクションシーンを織り込みながら、人間ドラマを描いた作品、また正義とは何かを考えさせられる作品に仕上がっている。

　県内ロケは、映画やドラマの撮影をサポートする「富山県ロケーションオフィス」の協力のもと、昨年6月から3カ月間、とやま健康パーク(富山市)や旧氷見市民病院(氷見市)、臨港道路(射水市)、県立中央病院(富山市)など14カ所で行われた。とやま健康パークでのバス爆破シーンでは、延べ1,000人もの地元エキストラが参加し、火柱の上がる迫力のある撮影が行われた。旧氷見市民病院は、脳男と刑事・茶屋が対決するクライマックスのシーン。院内での大規模な爆破や、精神科医・真梨子の監禁など手に汗にぎるシーンが撮影された。

　2月17日には、普段は立ち入ることができない旧氷見市民病院で、ロケ現場(昨年7月)の見学会(氷見市観光協会主催)が行われた。県内外から参加した約80人が同ロケーションオフィスの案内で、精神科医・真梨子が横たわった手術台や厨房跡、爆破シーンのために穴を開けた壁などを見て回り、映画のワンシーンに思いを馳せた。

●ロケ地マップでご当地グルメをめぐろう

　富山県と射水市観光協会では、映画「脳男」のロケ地マップ(B5判カラー)を作成し、富山の観光をPRしている。県内ロケ地のほか、撮影スタッフが通った富山のご当地グルメも紹介。5万部発行で、県内や関東・中部地方の映画館、ロケ地の施設、射水市内の公共施設などで配布中だ。

　マップには先述のとやま健康パーク、旧氷見市民病院のほか、12カ所が紹介されている。海王丸パークや新湊大橋に近い、臨港道路では、6車線の道路を3日間完全封鎖し、カーチェイスや護送車の大爆破など大規模なロケが敢行された。県立中央病院は、真梨子が勤務する病院のシーンに登場。ロビーやCT室、外観などが映っている。100年以上前に建てられた洋風建築の高橋医院(滑川市)は、少年期の鈴木一郎が預けられていた医院という設定だ。富山地方鉄道の横江駅(立山町)は、真梨子が茶屋を出迎えるシーンに使われたレトロな駅舎。白のボディにグレーとあずき色のラインが入った富山地鉄のオリジナル車両「モハ14760形」(通称“だいこん電車)”も登場する。

　撮影スタッフの舌をうならせた店として、マップには氷見牛カレー、しろえびカレーが人気の「氷見牛焼肉店 牛屋」や、ロケ弁当の注文に懸命に応えた「よしだや 本店」、富山ブラックラーメンの「西町大喜本店」、「富山ブラックラーメン 喜八」、チキンカレーが絶品の「プモ・リ」などが紹介されている。富山でしか味わえないメニューを堪能したい。

　富山県ロケーションオフィスでは、「撮影スタッフから“これほどのロケーション、サポートに恵まれたことはない”と感謝され、富山の風景、人の魅力をあらためて感じました。2月28日まで富山空港国内線到着ロビーにて、映画のロケ地や写真などを紹介したパネル展を開いています。ぜひご覧ください」と話している。

●富山県ロケーションオフィス(富山県観光・地域振興局観光課内)
TEL.076-444-6789
FAX.076-444-4404
http://www.location-toyama.jp/