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2009年 11月 25日 [ トピックス ]

No.431-1:富山県とスイス・バーゼル地域との友好交流


 富山県薬都バーゼル友好交流訪問団(団長:石井県知事)が、10月にスイスのバーゼル地域(バーゼル・シュタット州、バーゼル・ラントシャフト州)を訪問し、医薬品分野における交流を推進するため、両州政府と交流推進に関する宣言・協定書に調印した。国境を越えて地域連携を進め、富山の医薬品産業の発展につなげるのが目的。市場のグローバル化が加速するなか、ビジネスの拡大、飛躍のチャンスと期待が高まっている。

▲バーゼル・シュタット州との調印式

●医薬品分野の国際交流を支援、海外展開へ弾み

 富山県薬都バーゼル友好交流訪問団(団長:石井県知事)が、10月にスイスの バーゼル・シュタット及びバーゼル・ラントシャフト両州を訪問し、医薬品分野における交流を推進するため、両州政府と交流推進に関する宣言・協定書に調印した。国境を越えて地域連携を進め、300年余の歴史を誇る富山の医薬品産業のさらなる発展につなげるのが目的。市場のグローバル化が加速するなか、ビジネスの拡大、飛躍のチャンスと期待が高まっている。

スイス北西部、ドイツとフランスの国境に接するバーゼル地域は、医薬品や化学、バイオ関連企業、研究所が集積し、“世界の薬都”として知られている。バーゼル・シュタット州の州都バーゼル市はチューリヒ、ジュネーブに次ぐ、スイス第三の都市で、世界トップクラスの製薬メーカー、ロシュ社とノバルティス社が本社を置いている。

 富山とバーゼル地域との交流は、平成18年に(社)富山県薬業連合会が「バーゼル視察団」を派遣したことから始まり、交流をきっかけに、バーゼルとの取り引きを始めた県内企業もある。今年で4回目となる県薬連の訪問団(富山ースイス薬業交流訪問団)とともに、今回、県が初めて公式訪問団を派遣し、両州政府と宣言・協定書に調印した。宣言及び協定書には、「医薬品業界の交流の推進」、「学術及び芸術・文化分野の交流の推進」を掲げ、企業・民間による製剤技術交流及び経済交流の促進に対する支援を行うことや、学術及び芸術・文化分野で交流を進めることが盛り込まれている。

 現地では、両州政府知事との懇談、調印式のほか、バーゼル経済振興委員会紹介、バーゼル音楽院視察、バーゼル大学ライフサイエンス戦略紹介、バーゼル大学薬歴史博物館視察、企業セミナー・ネットワーキング参加、製薬企業(ロシュ社)訪問などがあり、自治体レベルで交流を深めた。また、富山の製薬企業とバーゼル地域製薬企業との交流、情報交流の促進支援にもつながった。実際に富山県薬業連合会の訪問団が、現地企業と昨年度の件数(24件)を大幅に上回る商談(50件以上)を実施するなどの成果があった。技術提携、新薬の共同開発など、新たな可能性が広がっている。

●来秋、富山で医薬品研究開発のワークショップ

 医薬品分野を中心とした交流協力についての合意を踏まえ、平成22年10月に富山市で「富山・バーゼル医薬品研究開発ワークショップ」が開催されることも決まった。バーゼル地域の大学、企業の研究者を招き、医薬品の製剤技術、バイオ・免疫などの先端的な研究などに関して意見交換を行うもので、富山県、薬事研究所、富山県薬業連合会が中心となり、県内大学などを含めた実行委員会を組織し、準備を進める。バーゼル地域と富山県の研究者・技術者による研究発表、県内製薬企業との意見交換、製薬企業の視察などを実施する計画だ。

 また、芸術・文化交流として、「富山・バーゼル友好協力記念音楽コンサート(仮称)」(主催:若手音楽家育成アヤメ基金)が平成22年9月に開催される。国際コンクール優勝者をはじめとする、バーゼル音楽院に在学する若手音楽家が演奏する予定で、芸術・文化面での交流に弾みがつきそうだ。なお、富山県は、今回のバーゼル地域訪問で富山の製薬企業から寄贈を受けたバロック音楽のLPレコード590枚をバーゼル・シュタット州政府に贈呈している。

 富山県厚生部くすり政策課では「医薬品分野をはじめ、芸術・文化など幅広い分野でスイス・バーゼル地域と交流を進めていくことで、本県薬業の一層の発展に取り組んでいきたい」と話している。


▲バーゼル・ラントシャフト州との調印式会場


問い合わせ
●富山県厚生部くすり政策課
TEL.076-444-3236
FAX.076-444-3498
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1208

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