トピックス

アーカイブ

2009年 11月 11日 [ トピックス ]

No.429-1:優れた技術とデザインが融合!〜富山からデザイン商品を生み出す様々な取り組み〜


 「富山プロダクトデザインコンペティション2009」の入賞作品が決定した話題や、富山プロダクツ選定商品を中心に、県内企業のデザイン性の高い商品を展示・販売する「TOYAMAデザインセレクト2009-2010〜インテリアに彩りを添える富山生まれのデザイン〜」、今年度からスタートした「越中富山お土産プロジェクト」をクローズアップ。

▲(左)「ころぴたっ」
(中)「TEA SET」
(右)「イロトリドリ」

●デザインコンペティション2009、受賞作品決定

 「富山プロダクトデザインコンペティション2009」の入賞作品(とやまデザイン賞、準とやまデザイン賞、黒木靖夫特別賞)が決定した。同コンペティションは、デザイナー、企業、富山県総合デザインセンターが協働して入賞作品の商品化に取り組み、富山発のデザイン商品を創出することを主目的に毎年開催されている。

16回目となる今回のテーマは、「カラフルなグッズ」。生活のスパイスになるような色使いや、こだわりを感じさせるカラーバリエーションなど、無限に存在する色を駆使して、作り手、売り手、使い手を魅力するデザインアイディアが、6月から8月までの応募期間に全国から218点集まった。基本コンセプト、独創性、市場ニーズ、美的価値、商品化の可能性、富山のリソース(素材、技術)の活用といった審査評価基準から、作品パネルによる第1次審査で15点を選出。第2次審査では、招待デザイナー10名を加えた25名の作品の中から10点を決定。全国でも珍しい、公開プレゼンテーションによる最終審査で、とやまデザイン賞、準とやまデザイン賞、黒木靖夫特別賞各1点が決定した。

とやまデザイン賞に輝いた作品「ころぴたっ」(渡辺仙一郎さん作)は、マグネット内蔵のカラフルな石ころオブジェで、写真やポストカードなどをホワイトボードに“ぴたっ”と貼り付けることができる。使わないときは、ボードにランダムにくっつけておくだけで可愛らしいインテリアとなる。たくさんあると思わずかき混ぜたくなるキュートさがあり、手で触っていると心も癒されていくようだ。

準とやまデザイン賞を受賞した作品「TEA SET」(倉本仁さん作)は、色という表現手法がこれまで使われてこなかった「挽物」にカラフルな色を着色した湯呑や茶卓。木の素材とカラフルな色の組み合わせが新鮮で、モジュール化された収納もユニーク。「民芸的商品開発におちいりがちな産業に対して、新しい商品イメージを提案することでユーザーやマーケットの開拓にデザインが役立つかもしれません」と作者はコンセプトを語る。

黒木靖夫特別賞の「イロトリドリ」(AUN2H4:アウンツーエイチフォー作)は、鳥をモチーフにした作品。カラフルなオブジェとして、またアクセサリー掛けやフォトスタンドなどにもなる。「形に色を与えるのではなく、色に形を与えてみたデザイン。“イロトリドリ”の鳥たちが、壁面を自由に飛び交い、生活空間に彩りを加える」と作者。

 入賞作品をはじめ、最終審査に残った作品は、今後、コストの算出、流通経路の開拓などを踏まえながら、富山県総合デザインセンターが中心となって商品化が検討されていく。なお、これまで同コンペティションに応募のあった作品から20点以上が商品化されている。

●TOYAMAデザインセレクト2009-2010開催

 富山県では、県内で企画または製造される性能、品質及びデザイン性にすぐれた工業製品を「富山プロダクツ」として選定し、県内外に販路開拓を支援する制度を設けており、これまでに生活雑貨を中心にロボット、家具など80点以上が選定されている。これらの選定商品を中心に、県内企業のデザイン性の高い商品を展示・販売する「TOYAMAデザインセレクト2009-2010〜インテリアに彩りを添える富山生まれのデザイン〜」が、リバーリトリート雅樂倶(富山市春日)を会場に開催されている話題も紹介しよう。

来年1月22日(金)までは、約30アイテム、1月23日(土) 〜3月30日(火)は約120アイテムを揃える。鉄の表面に漆を施したフルーツボウルや、香りを逃さないティーポット、滑らかな底のカップ、高純度アルミを用いた光沢のある花器、デミタスカップの形をしたキャンドルホルダーなど、“富山発”の商品をラインナップしている。ホテル・ショップの心地よい空間の中で商品を手にとり、デザインを楽しみ、お気に入りの逸品を見つけてみたい。

●越中富山お土産プロジェクト、試作品発表

富山県総合デザインセンターが今年度からスタートさせた「越中富山お土産プロジェクト」についてもクローズアップ。センターでは、プロダクトに新たなデザインの可能性を広げる試みとして、デザインを切り口に新たな富山の物産ブランド化を目指し、同プロジェクトに取り組む。

このほど発表された試作品のパッケージには、富山の「富」をモチーフにしたブランドロゴ。パッケージの中には、細工蒲鉾の鯛や、しろえび素干、ほたるいか黒作り、地酒、天然水、富山米などのミニサイズの商品。心とモノの「おすそわけ」の精神に基づき、主役となる県内既存の食品を統一的なパッケージを用いながら物産の集合体として、その魅力を効果的に伝えようとするものだ。

富山県総合デザインセンターでは、「プロジェクトは、個々の商品のコラボレーション。まず食品から始め、薬品、クラフト、工業製品へと商品分野を拡大させていく計画だ。富山発の商品のPR、県内企業の新たなビジネスチャンスの創出につなげたい」と話している。


▲(左)TOYAMAデザインセレクト2009-2010
(右)オリジナルパッケージ適用試作品


問い合わせ
●富山県総合デザインセンター
TEL.0766-62-0510
FAX.0766-63-6830
http://www.toyamadesign.jp

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑