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2009年 8月 5日 [ トピックス ]

No.415-2:ひんやりとした夏の味覚を求めて‥‥


 夏本番、気温の上昇とともに口に入れたくなるのが涼感誘う味覚。夏の味、ユニークな品がないものかと探したところ、出会ったのが「大根寿し」(南砺市)と「水だんご」(黒部市)。ひんやりとした食感が心地よい逸品だ。

●涼感誘う、新しい夏の味「大根寿し」

 夏本番、気温の上昇とともに口に入れたくなるのが涼感誘う味覚。夏の味、ユニークな品がないものかと探したところ、出会ったのが「大根寿し」(ブリ・サバの2種類)だ。南砺市で「かぶら寿し」や「昆布巻」などを製造・販売する三和食品(株)が、夏の味覚として開発した。本格販売を始めて2年目の夏を迎え、中元商品として人気も高まっている。

 北陸・富山の冬の味覚を代表し、正月のハレの席にも欠かせない郷土料理「かぶら寿し」。白かぶらにブリ、またはサバの切り身を挟み、白糀をつけて漬け込んだ発酵食品だ。大根寿しは、白かぶらの代わりに、コリッと歯ざわりのいい夏大根にブリ、サバの切り身が挟んである。かぶら寿しで培った独自の製法により、夏大根の持つ辛味成分を生かし、シャキッとした食感と糀漬け特有の深い味わいが堪能できる。
 
 富山には、ブリと大根を一緒に炊いた「ぶり大根」、サバと大根を和えた「なます」などの郷土料理があるように、ブリ、サバともに大根との相性はいい。大根寿しもブリ、サバの適度な脂分と夏大根の辛味、適度な水分があって、口に入れるとジワ−ッと滋味が広がる。美味しい食べ方は、冷蔵庫で冷やしたあと、糀をつけたまま、好みの大きさにスライス。糀が苦手という人は箸で軽く落としていただくのもいいだろう。

 夏場は気温が高いため、乳酸菌や酵母菌の温度管理が難しく、発酵食品の開発・製造は難しい面がある。また、大根はかぶらに比べて、固くて水分が多い。三和食品では、独自の技術で乳酸菌と酵母菌を管理。また桶の上層、中層、下層で均等に荷重がかかり、水分が抜けるように漬け込む際の重しを調整。夏大根の辛味成分が雑菌の発生を抑えることも品質の安定にもつながった。工夫を重ねて開発した大根寿しは、地域振興を担う新商品として、経済産業省中部経済産業局の地域資源活用事業計画の認定も受けている。

 三和食品(株)の山村一幸社長は、「冬のかぶら寿しは白かぶらのやさしいサクサク感、夏の大根寿しは大根のシャキッとした食感が特徴といえます。夏の発酵食品は全国でも数少ないのが現状です。独自のノウハウで品質の安定した商品をお届けすることができるようになりました。かぶら寿し、昆布巻が正月に欠かせない一品、伝統の味となっているように、大根寿しも夏の食卓、お盆の時期に欠かせない一品として育っていくことを期待しています」と話している。

●黒部の夏の名物「水だんご」

 黒部川扇状地の先端部、黒部川の伏流水が「清水(しょうず)」となって街のあちこちから湧き出る名水の里・黒部市生地地区。野菜や果物、ビールなどを冷やす場として、また洗濯や炊事の場として利用される共同洗い場が点在し、水が人々の暮らしをいかに潤しているかがわかる。
 
 この名水の里でひんやりとした夏の味覚はないものかと出会ったのが、庶民の味として古くから伝わる「水だんご」。上新粉に片栗粉、名水を混ぜてこね、蒸したあとに棒状にしたもので、名水で冷やしたことからその名がつけられたとされる。かつては、夏になると「水ダゴ屋」と呼ばれる茶屋がこの地区に並び、賑わいをみせたという。

 30年ほど前から水だんごを製造・販売し、黒部市内のスーパーマーケットを中心に卸しているカネソ食品興業(黒部市吉田)の武隈義宗社長は「水だんごは、黒部の名水が育んだ夏の味覚。水と粉の配合、こねや蒸し加減で食感が違ってくるから奥深い。毎年9月中旬まで作っています。水だんごの味を懐かしく感じる方も多いことでしょう。これからも昔ながらの味を伝えていきたいですね」と話す。カネソ食品興業の水だんごは黒部らしさを活かした土産品、特産品として、黒部・宇奈月温泉観光協会から「黒部ブランド」に認定されている。

 食べるときには、あめ玉ほどの大きさに切り、その上に砂糖入りのきな粉をかける。水だんごの白色にきな粉の緑色が映え、なんとも涼やかな配色。口に入れると、優しく、素朴な味が広がる。お盆の帰省時にぜひ味わってほしい逸品、ふるさとの懐かしい味だ。

 なお、三和食品(株)から大根寿しを抽選で3名様にプレゼントします。プレゼント応募フォームに、プレゼント内容「大根寿し」・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号・記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。<8月9日(日)締切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。>



問い合わせ
「大根寿し」について
●三和食品(株)
TEL.0763-52-2848
FAX.0763-52-0295
http://www.kabura.co.jp/

「水だんご」について
●カネソ食品興業
TEL.0765-56-9292
FAX.0765-56-9308

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