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2009年 2月 4日 [ トピックス ]
No.389-2:氷温保存の「きららか梨」、中東・ドバイへ輸出
射水市黒河のナシ生産農家・藤岡正明さんが、冷蔵機器メーカーと富山県立大学の協力を得て商品開発に成功した氷温保存のナシ「きららか梨」。今冬からアラビア半島のアラブ首長国連邦・ドバイへ輸出され、富裕層向けに販路を広げている。
●冬でも旬のままのみずみずしさ
射水市黒河のナシ生産農家・藤岡正明さんが、冷蔵機器メーカーと富山県立大学の協力を得て商品開発に成功した氷温保存のナシ「きららか梨」。今冬からアラビア半島のアラブ首長国連邦・ドバイへ輸出され、富裕層向けに販路を広げている。
「きららか梨」は、8月中旬から9月初めにかけて収穫したばかりのナシ(品種:幸水、豊水)を特殊冷蔵庫に入れ、氷温保存によって長期保存・熟成を可能にしたナシ。0度から果実が凍り始める氷結点までの温度域(氷温域)で保存することで、鮮度やジューシーな甘みをそのまま保つことができる。冬のこの時期でも旬のままのみずみずしさ、もぎたての味が楽しめるというわけだ。今年度は約6,000個のナシを氷温保存にあてた。
藤岡さんは、昭和63年に郵便局員から「地域の特産として、冬でも食べられるナシがほしい」と言われたことから、氷温保存に取り組んだ。その後、試行錯誤を重ねて、平成15年に保存の技術を確立し、19年秋から販売を本格化させた。昨年6月に特許庁から「きららか梨」の商標登録の認可がおり、10月に富山市で行われた農林水産省・北陸農政局の農林水産物・食品輸出オリエンテーションに出品。輸出を手掛けるバイヤーの目に止まり、砂漠地帯で水やみずみずしい果実が貴重なドバイへの輸出が決まった。第1便が関西国際空港から発送された今年1月10日以降、毎週1回、1箱12個入りを4箱ずつ輸出している。夏・秋の収穫期以外にナシが日本から海外へ輸出されるのは初めてという。
●シロエビの殻などを加えた有機肥料で土壌づくり
藤岡さんの農園では、ナシの糖度を上げるため、富山県立大学のアドバイスを受けて、富山湾の海洋深層水をナシ畑に散布している。収穫後すぐに氷温保存し、熟成させたナシは通常のナシより糖度が1%以上増すという。また、富山湾から新湊漁港に水揚げされたシロエビの殻などを加えた有機肥料による土壌づくりも特徴。減農薬など、環境にやさしい農業に取り組んでいるとして、県からエコファーマーに認定されている。なお、「きららか梨」は、桐の箱に入ったもので3個5,800円。全国発送も受け付けている。販売は5月31日(日)まで。
藤岡さんは「きららか梨は、いい土といい樹と冷蔵技術が揃わないとできない。土の中にミミズやモグラ、樹や葉にカマキリやテントウムシ、クモなどがたくさんいる畑づくりを目指している。試行錯誤を重ねて開発したナシが、遠く中東に住む人の喉を潤していると思うと感慨無量だ。今後、輸出を定着させていきたい。直近の情報として、2月9日(月)~11日(水・祝)、東京国際フォーラム(東京・千代田区丸の内)を会場にアジアで初めて開かれる『世界料理サミット2009 TOKYO TASTE』で、国内の農産物や加工品、飲料水など20種類ほどを紹介する農林水産省の輸出促進ブースに、きららか梨が展示される。また、調理デモンストレーションでデザートなどの食材として使われる。富山県産のナシを国内外にアピールしたい」と話している。
問い合わせ
●藤岡農園
TEL.0766-56-2322
FAX.0766-56-0400