富山県深層水協議会の会員企業が、このほど海洋深層水飲料を中国・大連市に輸出した。中国国内に富山の海洋深層水飲料が輸出されたのは初めて。初輸出をきっかけに、中国国内での販路拡大と富山の深層水のイメージアップを図りたい考えだ。

●大連市内のデパートやスーパー、ホテルなどで販売予定

　富山湾の海洋深層水を有効利用し、事業化を促進することなどを目的とする富山県深層水協議会の会員企業が、このほど海洋深層水飲料を中国・大連市に輸出した。富山の海洋深層水関連の飲料や入浴剤は、台湾や韓国へは輸出され、主要デパートなどで高級品として販売されているが、中国国内に海洋深層水飲料が輸出されたのは初めてだ。

　輸出されたのは五洲薬品製造の「海のミネラル水(500ml)」(600カートン、14,400本)で、10月5日、同商品を積み込んだ大連行きのコンテナ船が富山新港を出港し、12日に大連港に到着。28日に通関・検査検疫手続きを終えた。富山県出身者が代表を務める東京の(株)かなえ環境システムズ(県深層水協議会会員)が輸出を手掛けた。

　「海のミネラル水」は、富山湾の水深333mから採水した深層水から特殊技術によって塩分を取り除き、深層水ミネラルを濃縮。その後、北アルプスの水で調整した体にやさしい新感覚ウォーター。「海のミネラル水」のほか、富山平野の地下300mから湧出したナチュラルミネラルウォーター「雪アルプス天然水」(五洲薬品製造：400カートン、9,600本)も輸出された。両商品は、大連市内のデパートやスーパー、ホテルなどで販売される予定。

●富山県大連事務所に「富山県物産展示コーナー」設置

　両商品は、11月7～9日、大連市内で開催された「2008中国東北地区緑色食品博覧会」に設けられたジェトロ大連事務所の専用ブースにて、富山の海洋深層水PR用に来場者に提供された。日本の海洋深層水飲料への関心は高く、来場者の反応も良好だったという。

　中国・大連での海洋深層水飲料の販売に合わせ、富山県大連事務所に「富山県物産展示コーナー」が設置されたことも話題だ。富山湾上に浮かぶ立山連峰のポスターを掲示したコーナーでは、ミネラルウォーターや塩、にがり、入浴剤、シャンプー、リンス、石鹸、化粧水、地酒といった深層水関連商品などを展示。富山の深層水をはじめとする県物産品の知名度アップ、富山への国際観光旅行の推進を図る。

　富山県深層水協議会事務局では「これまで、会員企業を通じて、中国国内で開催された商品博覧会などへの出展、試飲などによるPRを進めてきた。中国では、大都市を中心に消費市場が拡大し、日本の食品は安心・安全な食品として富裕層を中心に関心が高まっている。今回の中国への深層水飲料初輸出をきっかけにして、中国国内での知名度向上と販路拡大、富山県のイメージアップにつなげていきたい」と話している。



問い合わせ
●富山県深層水協議会事務局(富山県商工労働部商工企画課内)
TEL.076-444-3245
FAX.076-444-4401
http://www.t-deepsea.jp/