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2000年 8月 10日 [ トピックス ]

No.068-3: この夏、利賀村は、新しい舞台芸術との出会いの場となる。TOGA Summer Arts Program 2000


8月1日〜27日まで、「利賀サマー・アーツ・プログラム2000」が富山県利賀芸術公園で開催されている。国内初の演出家を対象としたコンクールをはじめ、期間中、多彩な事業が行われる。
主催は、財団法人舞台芸術財団演劇人会議(Japan Performing Arts of Foundation)。「利賀フェスティバル」の仕掛け人で演出家の鈴木忠志さんが理事長となってこの春発足した。演劇祭の開催のほか、地域舞台芸術活動の活性化や舞台芸術家の教育を行うこととしている。
昨年まで開催されていた「利賀フェスティバル」は、1982年に日本初の国際演劇祭としてスタート。世界の優れた舞台作品を数多く紹介することで、わが国における演劇祭など鑑賞機会のレベルアップに大きく貢献してきた。しかし、21世紀を迎えるのを機に、見直しが図られ、昨年、18回目をもって終了することとなった。
これに代わる新たな企画として生み出されたのが、この「利賀サマー・アーツ・プログラム2000」。舞台芸術の創造や上演だけでなく、人材の育成や支援、交流なども含めた総合プログラムとして、演劇を行う者、観る者、学ぶ者が一堂に会し、さまざまな演劇の可能性を探ることにしている。
野外劇場や合掌造りの劇場など芸術公園の特長を最大限に活かした、まったく新しい舞台芸術プログラムをあなたも体験してみてはいかがでしょうか。
なお、プログラムの内容は次のとおりです。


(1)利賀演出家コンクール
 8月2日〜10日、8月17日〜25日
(演出家コンクール全演目共通パス券1,500円)
<利賀演出家コンクール>は、日本ではじめて開催される演出家対象のコンクールで、21世紀に向けて才能ある演出家を発掘し、その活動を支援することが目的です。全国から応募があった演出家60人のなかから、一時審査を通過した24人の演出家が自作を上演します。(一般の方も御覧いただけます。)この中から最優秀作品(賞金300万円)が選ばれます。次代を担う多くの才能ある演出家との出会いにこうご期待。

□海外戯曲部門
課題戯曲 「バーサよりよろしく」 作;テネシー・ウイリアムズ  5作品
     「戦場のピクニック」  作:フェルナンド・アラバール 3作品
     「あしおと」      作:サミュエル・ベケット   3作品
□国内戯曲部門
課題戯曲 「紙風船」 作:岸田國士 4作品
     「棒になった男(第3景)」 作:安部公房 4作品
     「マッチ売りの少女」 作:別役実 5作品
□審査員 石澤秀二・伊藤裕夫・衛紀生・菅孝行・越光照文・鈴木忠志・高田一郎・原田一樹・平田オリザ・宮城聡・森秀男・安田雅弘・山村武善

(2)舞台公演プログラム
利賀の劇場を舞台に数々の名作を創ってきた鈴木忠志演出の2作品の上演。そして、北九州と東京の若手劇団の競演。

 ■演 目:作・演出:泊 篤志『生態系カズクン』
 ■上演日:8月5、6日
 ■チケット料金:3,000円

 ■演 目:作・演出:夏井孝裕『LOCK』
 ■上演日:8月25、26日
 ■チケット料金:3,000円

 ■演 目:演出:鈴木忠志『オイディプス王』
 ■上演日:8月4、5日
 ■チケット料金:4,000円

 ■演 目:演出:鈴木忠志『シラノ・ド・ベルジュラック』
 ■上演日:8月26日
 ■チケット料金:4,000円

(3)利賀会議2000年
 8月26日(チケット料金1,500円)
21世紀の日本と世界の文明・文化について、各界の第一人者が討議し、提言をする「利賀会議」。毎年開催する会議の第一回。

(4)「舞台芸術財団発足にあたって」公開討論会&鈴木・メソッド・デモンストレーション
 8月6日(チケット料金3,000円)
2000年3月に設立された財団法人舞台芸術財団演劇人会議の理念と活動ビジョンについて、理事長の鈴木忠志が発表、質問にもお答えします。また、公開機会の少ないスズキ・メソッドを、鈴木忠志自身が解説、俳優陣がデモンストレーションを行います。

(5)アーティスト・イン・レジデンス
 (8月12日の公開稽古のみ一般公開:入場無料)
 青年団および「月の岬」プロデュースによるレジデンシー・プログラム。平田オリザ演出『月の岬』の立ち稽古を原則として公開します。一般観客に、創作の秘密や緻密な演出プロセスなどを実体験してもらいます(一般の方は稽古に参加することはできません)。

(6)大学生創作ワークショップ
 (8月10日の発表会のみ一般公開の予定:入場無料)
桜美林大学文学部総合文化学科演劇専攻生(30〜50人)の滞在型創作ワークショップ(8月5日—12日)と、富山大学の学生のための「学生演劇フォーラム」(8月4、5日)を開催。

(7)高校生夏期演劇講習
 (一般公開は、ありません)
富山県下の高校演劇部の生徒(約130人)を対象とした演劇ワークショップ。身体のセンスを磨くためのトレーニングを中心とした3日間。



問い合わせ
●(財)利賀芸術財団演劇人会議
TEL 0763-68-2356,2216

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