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2000年 3月 17日 [ トピックス ]
No.059-1:犯人探しに大活躍—富山発!雪中足跡採取方法
■犯人の雪中足跡が採れる—雪国富山の警察官が生みだした特殊採取方法
雪中足跡などくずれやすい足跡を瞬時に固める「TK」と「TK2」という特殊セメントを使用し、雪上の犯人の足跡を採取する方法を富山県警鑑識課が開発。“TK”とは“富山県警”の略。「TK2」は水に濡れると固まる性質をもつことから、粉状の「TK2」を足跡にまき、水をスプレーで噴きかけて足跡を固めた後、そこに液状の「TK」を流し込んで型を取るというもの。平成9年に科学技術庁長官賞、警察庁長官賞を受賞している。この方法で今まで採取が難しかった足跡の採取が可能となり、犯人特定の重要な証拠となる足跡の鑑識技術が大きく前進し、犯人特定に全国で威力を発揮している。
■犯人特定における足跡の重要性とは?
犯行現場では犯人の指紋が重要な現場資料となるが、手袋をしていたときなど指紋が残らないことも当然ある。しかし、犯人は現場には必ず歩いてくるので足跡は必ず残る。人の足跡というのは千差万別で、その人の歩き方で靴の減り方も違ってくるから、犯人検挙の際、被疑者の履いている靴と合致すれば重要な証拠となる。今までも鑑識課は、床面やコンクリートなどにある目に見えない足跡を、斜光線や薬品を使ったりして採取してきた。殺人などの重要事件であれば現場を何ヵ月も保存し、現場にいたる廊下や通路の足跡すべてを総力あげて採取する。そこで、雪中足跡、火山灰上の足跡などは、石こうを使用した従来の採取方法では足跡を破壊するおそれがあることから、今回のような特殊セメントで採取する方法が考案されたのである。
■事件の早期解決に向けて日夜努力
採取、鑑定された足跡は非常に重要な現場資料として捜査を進めるうえで大きく役立っており、鑑識技術の向上は警察の事件解決力の強化そのものにつながるといえる。雪国だからこそ考えついたといえるこの技術が全国で活躍し、様々な重要事件の早期解決につながることが期待される。「いつの時代にも犯罪が起こる要素は形を変えて存在する。でも警察は『罪を憎んで人を憎まず』の姿勢で世の中を守っていくという使命を常に念頭において、日夜、鑑識技術の向上に努めていかねばならない」と富山県警鑑識課では、今日も技術の向上にいそしむ日々が続く。
問い合わせ
●富山県警察本部
TEL 076-441-2211