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2000年 1月 17日 [ 特産品 ]
No.054-1:高カルシウムのエノキタケ登場で、キノコがさらにヘルシーに!
■「スーパーえのき」が県内で発売開始
鍋に欠かせない具のひとつ、エノキタケに新商品。富山県林業試験場の指導のもと、全国で初めて高カルシウムの「スーパーえのき」<通称・雷鳥えのき>が開発され、鍋シーズンを目前に控えた11月1日、県内の食品スーパーなど20店舗で一斉に発売された。気になるカルシウム含有量は、通常栽培の約2倍近くあり、カルシウム不足が叫ばれる現代人の力強い助っ人となりそうだ。
■培地に貝化石を加えて、カルシウム倍増
エノキタケ、シイタケ、ナメコなどの食用キノコ類は、一般的に食物繊維が豊富でしかも低カロリーであることから、健康食品やダイエット食品として幅広く利用されてきた。生産方法も空調施設を導入して鋸屑と米糠、フスマなどにより四季を問わず一年中安定して栽培できるようになったおかげで、キノコ類全体の生産額は年間2,500億円を超えるまでに至った。しかし、ここ数年は中国など海外からの輸入量が増え、生産額は頭打ち状態。キノコ生産は収穫量の増大から品質の向上へと転換を余儀なくされている。そこで、考え出されのが、高カルシウムキノコの開発。富山県林業試験場の高畠幸司主任研究(農学博士)の指導により、石灰分の含有量が多い富山県産の貝化石粉末を培地に添加することで、カルシウム含有量の高いキノコ栽培を目指した。その実験結果はエノキタケにおいて、カルシウム含有量は無添加培地の1.5〜1.6倍、収穫量は1.2倍に増えた。通常捨ててしまう石付き(根元)部分は何と18倍という高い含有量を示し、食材として活用する価値が高いことも明らかになった。カルシウム含有量が増大したことで、これま以上に健康食品としてのイメージが高まるとともに、骨粗しょう症や成人病などを予防する食品としても期待される。
■高カルシウムのナメコやシイタケも発売予定
「スーパーえのき」が販売されて2ケ月余り。見た目、味ともに従来のエノキタケと変わりがないため、爆発的な売れ行きというわけではないが、少しずつ売上も伸びているという。関係者はいずれこの商品価値が広く浸透し、家庭の新しい食材として徐々に定着していくことを期待している。
今回、エノキタケが先行して商品化されたが、ナメコ、シイタケについても同じ実験が行われ、同様の傾向が認められており、「高カルシウムナメコ」、「高カルシウムシイタケ」が一般の市場に出回る日も近い。
問い合わせ
富山県林業技術センター林業試験場
富山県中新川郡立山町吉峰3
076−483−1511
URL http://www.fes.pref.toyama.jp