- HOME : Toyama Just Now
- 特産品
- No.632-1:技、冴える! 富山県伝統工芸品に6品目指定
2013年 11月 13日 [ 特産品 ]
No.632-1:技、冴える! 富山県伝統工芸品に6品目指定
●日常生活で使用する用具であること、100年以上の歴史があるもの
県が「富山県伝統工芸品」に指定したのは、越中瀬戸焼(申請者:かなくれ会)、越中福岡の菅笠(越中福岡の菅笠製作技術保存会)、高岡鉄器(伝統工芸高岡銅器振興協同組合)、高岡仏壇(高岡仏壇工匠会)、とやま土人形(とやま土人形伝承会)、富山木象嵌(とやま木象嵌工芸会)の6品目。学識経験者ら6名のメンバーによる富山県伝統工芸品指定委員会からの意見をもとに決定した。“主として日常生活の用に供されるもの”、“製造過程の主要部分が手工業的であること”、“伝統的な技術・技法で製造されるもの”、“伝統的に使用されてきた原材料で製造されるもの”、“一定の地域において、一定の数の者が製造を行い、地域の特色を活かした伝統的な技術・技法の継承が見込まれること”などが指定要件となっている。 指定要件の中の“伝統的”とは、100年以上の歴史を有し、今日まで継続していることを意味している。
県内には、国指定の「伝統的工芸品」として、高岡銅器、高岡漆器、井波彫刻、越中和紙、庄川挽物木地の5品目があるが、これら以外の歴史や伝統を有する工芸品に光を当てようと県が独自に「富山県伝統工芸品」に指定。伝統工芸品を製造する事業者などの製造意欲の高揚、伝統工芸品産業の育成・振興を図ることが目的だ。
6品目を紹介しよう。越中瀬戸焼は天正・文禄年間(1573~1596)、加賀の前田家が尾張瀬戸から陶工を呼び寄せ、立山町上末・瀬戸地区に陶窯ができたことに始まる。明治期に衰退するが、戦後に復興した。土、窯の薪、釉薬(ゆうやく)の材料などすべて地元で調達し、使用。昔ながらの「登り窯」を使い、伝統技術によって焼き続けられている。
越中福岡の菅笠は、江戸時代初期からの歴史がある。菅の栽培から笠の製作まで製作工程のすべての技術が残る、全国でも唯一の産地で、全国シェア90%を誇る。平成21年には菅笠の製作技術が国重要無形民俗文化財に指定された。
高岡鉄器は、江戸時代初期、加賀藩二代藩主前田利長が7人の鋳物師を金屋町に招へいし、鋳物工場を開設したことに始まる。高岡銅器と共通する高度な鋳造、仕上げ、研磨などの技法は茶道具の釜や風炉などの高級品として引き継がれ、鉄独自の味わいを持つ製品が作られている。
●伝統的工芸品の実演・製作体験も楽しみ
高岡仏壇は、真宗の信仰が浸透した北陸地域で高岡の鋳物技術、銅器、漆器技術と絡み合いながら、天保年間(1830~1844)に基盤が成立した。荘厳華麗な外観、国産の木材を使用した堅牢なつくり、高度な技術を要する塗り仕上げにより製作されている。
とやま土人形の始まりは嘉永年間(1848~1854)。富山藩十代藩主前田利保(まえだとしやす)に呼び寄せられた陶工が天神人形を献上したことを起源とする。土で作った素焼きの人形で、民間信仰にまつわるもの、縁起物、富山の祭礼に関わるものなど郷土色が強い。
木象嵌とは、異種の木を嵌め込み、その色の違いから絵を浮かび上がらせる技法。富山木象嵌は、創始者である中島杢堂(なかじまもくどう)が技術を習得し、富山で発展させた。額装品をはじめ、欄間、衝立などの室内装飾にも用いられている。
「2013伝統工芸ふれあい展・富山」では、富山県伝統工芸品の展示をはじめ、第36回富山県伝統的工芸品展コンクール入賞作品の展示、伝統的工芸品の実演・製作体験、伝統的工芸品の販売、とやま伝統工芸フォーラムが催される。高岡銅器の本錫彫金体験(約30分、体験料1,000円)ではコースター、高岡漆器の青貝加飾体験(約30分、体験料1,000円)ではアクセサリーの製作を楽しめる。
富山県経営支援課では、「晩秋、2013伝統工芸ふれあい展・富山で富山県伝統工芸品を実際に見て、磨かれてきた技と心、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか」と話している。
- 問い合わせ
- ●富山県商工労働部経営支援課
TEL.076-444-3249
FAX.076-444-4402
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1300/