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2013年 2月 20日 [ 特産品 ]

No.594-1:富山で発見されたサクラの新品種、名前募集!

富山県中央植物園は、入善町と朝日町で確認された新種のサクラの名前を公募中<3月5日(火)まで>。春と秋に開花する二季咲き性で、1本の枝に「一重咲」と「八重咲」が混在する珍しい品種。サクラを通して富山を全国にアピールできる名前を付けてみて!

▲浄蓮寺の花枝

●1本の枝に「一重咲」と「八重咲」混在

 寒さが続くなか、“春よ来い、早く来い”の願いを込めて、サクラの話題を紹介しよう。富山県中央植物園は、入善町と朝日町で確認された新品種のサクラの名前を募集中。富山でしか見られないサクラの名付け親になってみてはいかが!?

 このサクラは、「とやまさくら守の会」(サクラの保護・育成に取り組む団体)が実施した県内の二季咲き性のサクラの分布調査の過程で、会のメンバー・山崎久夫さんによって、入善町上野の浄蓮寺(じょうれんじ)、同町舟見の念興寺(ねんこうじ)の2カ所、朝日町の民家2カ所で発見された。その後、2008~2010年にかけて県中央植物園と同会が詳細な調査を行い、第5回日本櫻学会研究発表会で新品種として発表した。2006年に県東部で見つかった「コシノフユザクラ」に次ぐ、富山オリジナルの二季咲き性(※)の品種だ。
 ※二季咲きとは、晩秋(10月下旬~12月上旬)と春(3月下旬~4月上旬)に開花すること(新品種は、冬にもちらちらと花が咲く)。

 発見された新品種は1本の枝に、花びらが5枚の「一重咲」と、6~10枚の「八重咲」が混ざる。他の二季咲き性の品種にはみられない大きな特徴だ。花は、直径が2.2~2.8cmと小型。散りにくく、咲き始めは白色、満開後にピンク色に変化していく。

 葉は小さく、ソメイヨシノの約半分の大きさで愛らしい。葉の縁のぎざぎざは、単鋸歯(たんきょし)と重鋸歯(じゅうきょし)が混ざり、深くてはっきりしている。野生種のマメザクラやチョウジザクラと共通する特徴があり、これらが親になった可能性が高いと推定されている。ちなみに、浄蓮寺のサクラは単木で樹齢30年以上、念興寺のサクラは単木で樹齢80年以上。

●5月の県中央植物園開園20周年記念式典で発表

 名称応募は、3月5日(火)まで(必着)。はがき、FAX、メールに品種名、命名の理由、応募者の郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入して、富山県中央植物園へ(〒939-2713 富山市婦中町上轡田42 TEL.076-466-4187 FAX.076-465-5923 email:sakuraname@bgtym.org)。品種名採用者の中から1名に「花鉢(10,000円相当)」、さらに応募者の中から抽選で20名に「富山県中央植物園年間パスポート」を贈る。名前と採用者は、5月10日(金)の県中央植物園開園20周年記念式典で発表する。

 県中央植物園では、現在、サンライトホールで新品種の剪定された枝や解説パネルを展示中。サクラは、ホール内の暖かさで花を咲かせている。実際の花を観賞しながら、名前を考えてみるのもいいだろう。同園は、サクラのシーズンに合わせ、3月15日(金)~4月17日(水)、企画展「絵本の中に咲く桜」をホールで開催する。サクラを描いた県内外の絵本(60点)を展示するもので、小さな子ども連れからシニアまで楽しくサクラの絵を鑑賞できそうだ。また、4月中旬に開催の「さくらまつり」では、園内のソメイヨシノの並木をライトアップ。日中とは異なるサクラの風情が楽しめる。

●日本一長い開花リレーを愛でる

 標高差のある地形と、野生種のサクラの多さから、県内では、例年3月中旬に開花するキンキマメザクラから、7月下旬のタカネザクラの咲き終わりまで、約4カ月に渡ってサクラの開花を観賞できる。二季咲き性の品種と合わせれば、まさに日本一長い開花リレーを楽しめる。「富山さくらの名所」に選定されているポイントをいくつか紹介しよう。

 先述の新品種のサクラ「念興寺の桜」(入善町)は、その昔、親孝行の息子が病気の父親に見せるために探しあてたものとされ、“孝行桜”と言い伝えられている。「舟川べり」(朝日町)では、サクラの開花の時期に、チューリップや菜の花も咲き競い、残雪の朝日岳とともにハーモニーを奏でる。「松川べり」(富山市)は富山市中心部のサクラの名所。遊覧船が運航し、船上から桜並木の景観が楽しめる。「富岩運河環水公園・富岩運河」でも富岩水上ラインに揺られながらの水上花見が満喫できる。天門橋・展望塔からの桜並木と立山連峰も絶景だ。「上久津呂(かみくづろ)のツバキ・キクザクラ」(氷見市)はヤブツバキとキクザクラが絡み合って生育するユニークな姿形。県中央植物園の調査で新品種とわかり、「ヒミクヅロキクザクラ」と命名された。「浄教寺てまり桜」(小矢部市)も新品種として判明したサクラ(ジョウキョウジテマリザクラ)。菊咲き性で、1つの花に100枚以上の花弁をもつ。

 富山県中央植物園でサクラを研究している大原隆明主任は 、「名前を募集しているサクラは、秋と春に花が咲く二季咲き性では県内2例目の新品種。県内では、とやまさくら守の会のみなさんの熱心な活動によって、近年、多くの新品種が発見されています。富山さくらの名所(http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1603/kj00011575.html)を訪ね、満開のサクラの美しさをお楽しみください」と話している。


▲(左上)念興寺のサクラ▲(右上)県中央植物園のソメイヨシノの並木▲(左下)富岩水上ライン▲(右下)ヒミクヅロキクザクラ
問い合わせ
●富山県中央植物園
TEL.076-466-4187
FAX.076-465-5923
http://www.bgtym.org/

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