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2012年 10月 10日 [ 特産品 ]

No.576-2:カワイイ!! 井波彫刻の技で「獅子ギター」

井波彫刻で獅子頭をかたどったエレキギター「獅子ギター」が、井波彫刻協同組合で開発された。ボディーに赤、目や歯、牙などに金色の漆が塗られており、迫力のある顔つきながら、どことなくカワイイ。井波彫刻師が彫り、高岡漆器の職人が漆を塗った、伝統工芸のコラボレーションギター。井波の観光情報も併せて紹介。


●高岡漆器とのコラボで高級感漂う仕上がり

 井波彫刻で獅子頭をかたどったエレキギター「獅子ギター」が、井波彫刻協同組合で開発された。大胆に施した獅子の彫刻が特徴。ボディーに赤、目や歯、牙などに金色の漆が塗られ、迫力のある顔つきながら、どことなくカワイイ。井波彫刻師が彫り、高岡漆器の職人が漆を塗った高級感のある仕上げ。伝統工芸のコラボレーションギターだ。

 大きさは長さ約80cm、幅40cm。重量は2.5kgと、軽量&コンパクト。女性にも弾きやすいサイズに仕上げられており、バランスのよいサウンドを響かせてくれる。獅子の耳の部分に設けられた音量調節ダイヤルもアクセントになっている。受注生産で、価格は獅子にちなんで44万円。納期は4カ月ほど。

 井波彫刻協同組合では平成21年、天から舞い降りた龍が西洋の剣に巻き付く姿をイメージして彫られたエレキギター「龍剣」(重量約10kg)を制作し、話題を呼んだ。「獅子ギター」はその第二弾の企画。9月に井波彫刻総合会館一帯で開催された井波彫刻獅子カーニバルでお披露目コンサートがあり、ガールズバンドが肩から提げてパフォーマンスを繰り広げ、地元バンドが軽快な音を響かせた。同カーニバルでは、井波彫刻師が作った木型を基に、高岡銅器職人が作った焼き型で焼いた「獅子菓子テラ」も販売。井波彫刻と高岡漆器、高岡銅器の伝統工芸のコラボでイベントは大いに盛り上がった。

 井波彫刻協同組合では、「獅子頭をモチーフにしたエレキギターは全国初の試み。井波彫刻総合会館で展示しており、興味のある方は、ぜひ井波にお越しいただき、音を確かめてほしい」と話している。

●木槌の音を聞きながら、通りを散策

 南砺市井波は、日本一の規模を誇る木彫りの里。受け継がれてきた井波彫刻は、江戸時代に火災で焼失した瑞泉寺の再建の際、京都本願寺御用彫刻師・前川三四郎が派遣され、地元の大工がその技を習得したことに始まる。現在、荒彫りから仕上げまで200本以上のノミ、彫刻刀を使って、欄間や衝立、獅子頭、天神様などに代表される木彫が仕上げられる。

 町の中心を走る八日町通りには彫刻工房や和菓子店、造り酒屋、まちの駅などが軒を連ね、耳を澄ませば、あちこちから木槌の音が聞こえてくる。石畳が敷かれた、ゆるやかな坂道を散策し、ガラス越しに制作の様子を眺めてみよう。初めての井波観光には、体験メニュー「欄間と町並みウォーク」(南砺市観光協会 井波観光案内所 TEL.0763-82-2539)に参加してみるのもいいだろう。彫刻師、現地観光ガイドと一緒に瑞泉寺や工房を訪問。井波彫刻の伝統の技と心に触れられる。

 瑞泉寺は、本願寺五代門主綽如上人によって、明徳元年(1390)に建立された古刹。城壁のような石垣を見ながら進めば、総欅(ケヤキ)の重層伽藍入母屋造りの堂々たる山門が現れる。正面に彫られた「雲水一疋竜」は前川三四郎作とされ、過去の火災の折に水を吹き上げて山門を守ったと伝えられている。山門をくぐると、木造建築としては北陸最大級の壮麗な本堂が姿を現す。隣接する太子堂にも井波彫刻の粋が結集しており、見ていると時間の経つのも忘れるほどだ。精緻な彫刻を鑑賞するひとときが心を豊かにしてくれる。


▲(左上から時計回りに)獅子ギター彫刻風景、八日町通り、雲水一疋竜、瑞泉寺の山門
問い合わせ
「獅子ギター」について
●井波彫刻協同組合
TEL.0763-82-5158
FAX.0763-82-5163
http://inamichoukoku.com/
「欄間と町並みウォーク」について
●南砺市観光協会 井波観光案内所
TEL.0763-82-2539
FAX.0763-82-2839
http://inami-kankou.group.nanto-e.com/

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