トピックス

アーカイブ

1999年 6月 30日 [ トピックス ]

No.042-3:五箇山の伝統文化を体験


■陸の孤島といわれた山村に、独自の文化が育まれてきた
 相倉(あいのくら)合掌造り集落と菅沼(すがぬま)合掌造り集落が世界遺産に登録され、国際級の観光地として国内外から注目されている富山県平村(たいらむら)と上平村(かみたいらむら)。急峻な山々に囲まれ、また日本有数の豪雪地帯であるこの五箇山地方(平村、上平村、利賀村の地域を総称)では、こきりこ踊り、ささら、五箇山和紙、五箇山豆腐など、独自の文化が伝承されてきた。
 平村と上平村にはこの「ささら編み」「五箇山和紙手すき」「五箇山豆腐づくり」が一年を通して体験できる施設があり、五箇山の伝統文化に、より深く触れることができる。世界遺産・合掌造り集落巡りとともに気軽に訪れてみたい。

■ささら編みの後は、こきりこ踊りに挑戦
“筑子(こきりこ)の竹は七寸五分じゃ 長いは袖のカナカイじゃ”と歌い踊る五箇山の古民謡「こきりこ唄」。全国的に知られるこの唄に欠かせないのが、「こきりこ板ささら」とよばれる打楽器だ。108枚の薄い板を重ね合わせて綿糸で綴ったもので、両端の取っ手を握って動かすと、板同士が打ち合って、「ザアッ」「ザアッ」と音が出る。
 平村・こきりこ唄の館での「ささら編み体験」では、手ほどきを受けながら72枚の薄い板を綿糸で綴って、小型のささらを作ることができる。綿糸を強く締めすぎるといい音が出ないので、締め具合が製作のポイント。初心者でも30分から1時間ほどで完成できる。料金はささら1個1,500円。製作後、ささらの鳴らし方や、こきりこ踊りを習うこともできる。自作のささらを打ち鳴らしながら踊ると感動もひとしおだ。

■手仕事の文化を体感する
 平村にある五箇山和紙の里・和紙体験館では、「五箇山和紙手すき」に挑戦できる。加賀藩御用品としての歴史をもつ五箇山和紙について学んだ後、いざ漉き舟の前へ。型枠で粘液をすくい、均一の厚みになるようにゆらす。漉き上がったら、押し花や紅葉をのせて、乾燥作業へ。出来上がった和紙は独特の風合いをもち、押し花も趣を添えている。和紙1枚500円で、所要時間は10分ほど。
 上平村・どんぐりの館で催される「五箇山豆腐づくり体験」では、豆摺りや煮込み、にがりを混ぜる作業など、山里で長年受け継がれてきた手技を伝授してくれる。五箇山豆腐は、ワラで縛って持ち運べるくらいの堅さに特徴がある。自宅に持ち帰り、田楽や湯どうふにしていただくと、大豆の風味が口いっぱいに広がり、土産話に花が咲くことだろう。体験は10名から40名まで。1名1,200円で、所要時間は約2時間30分。

問い合わせ
●こきりこ唄の館・こきりこ民芸(ささら編み)
平村上梨741
0763-66-2312

●五箇山和紙の里・和紙体験館(五箇山和紙手すき)
平村東中江218
0763-66-2223

●どんぐりの館(五箇山豆腐づくり)
上平村西赤尾町字上野84-2
0763-67-3766

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑