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1999年 6月 30日 [ 特産品 ]
No.042-1:富山特産の昆布巻に富山湾の神秘・ホタルイカが新登場
■特産品開発で地域活性化
氷見市商工会議所の異業種交流グループ「夢創舎(むそうしゃ)」では、氷見で収穫された酒米・五百万石と良質な国内産大豆を使って「酒米生味噌」を開発し、3月末から販売を開始した。
同商工会議所では、地域活性化を目的にその土地に根差した特産品開発に取り組んできた。たとえば、6年前から「地酒づくりから地域活性化を」をキャッチフレーズに会員制で地酒づくりを行い、酒米の栽培から醸造まで、地元の農家や酒蔵と協力しながら、これまでに純米大吟醸酒などを誕生させている。
今回開発された酒米生味噌は、この地酒づくりの工程の中で小粒のために精白に適さない、酒米の“小米”を原料として活用した点が大きな特徴で、国内でも珍しい味噌として注目されている。
■水産加工品初、ホタルイカの昆布巻
富山県滑川市の「カネツル砂子商店」では、ホタルイカを使った昆布巻「十二単(じゅうにひとえ)」を商品化し、今春から市内にある「ほたるいかミュージアム」のお土産ショップで販売を始めた。昆布巻とはニシンやタラ子を昆布で巻いて柔らかく煮た富山特産の食べ物で、県内で広く親しまれているが、新登場の昆布巻は、ホタルイカと上質の昆布が今までにない新しい味わいを醸している。
ホタルイカは体長約4〜7センチと小型で、刺激を受けると発光器から青白い光を放つ、神秘的なイカとして知られる。富山湾では、早春から初夏にかけて、産卵のために大群をなして沿岸近くまで回遊してくる。これを定置網で捕獲し、そのまま、あるいは水産加工品に姿を変えて食卓にのぼる。
甘露、塩辛、姿干し、昆布じめなど、ホタルイカの加工品は多彩だが、昆布巻は県内では初めてのもの。また、昆布巻といえば、ニシンやタラ子、紅鮭などを芯の材料に使うものが一般的だが、ホタルイカを用いた昆布巻がいままでなかったことからユニークな特産品として注目されている。
■口あたりのよさが自慢
今回誕生した昆布巻「十二単」は、ホタルイカの甘露煮(1本につき50〜60グラム含む)を厳選された良質の昆布で巻き、ホタルイカがくずれ出ないように昆布の両端を折り、かんぴょうで結び、醤油と砂糖、みりんでじっくり煮込んで仕上げられる。いただくと、昆布とホタルイカが柔らかく、自然な甘みが口いっぱいに広がる。添加物をあまり使用していないため、素材の持ち味が十分生かされている。甘露煮を使っているため、ニシンなどの昆布巻よりも甘みを強く感じるが、後味も気にならない。また、温かいご飯にも合うし、酒の肴にもいけるだろう。
■言い得て妙のネーミング
ネーミングは、幾重にも巻かれた昆布の切り口が「十二単」のように見えることから名付けられた。一本の昆布巻(長さ約20センチ、直径約3センチ)を輪切りにすると、昆布がホタルイカをやさしく包みこんでいるのがわかり、そのネーミングに納得させられる。水揚げされるホタルイカのほとんどは雌で、普段棲息する場所が深海ということを考えると、ホタルイカは海底の竜宮城からやってきたイカのお姫様といったイメージが浮かぶ。「十二単」という名はホタルイカのこんなメルヘンチックなイメージにもぴったりあっているようだ。通年販売で、値段は1本700円(箱入り)。全国発送も受け付けている。
問い合わせ
●カネツル砂子商店
富山県滑川市北町1253
TEL 076-475-0035