特産品

アーカイブ

1999年 1月 23日 [ 特産品 ]

No.029-2:越中売薬の薬箱そっくりの箱に入った薬膳そばセット。


■人気の薬膳そば
 富山市のそば店「まるぜん」では、このほど、生薬を配合した薬膳そばと紙風船のセット「越中赤箱(あかばこ)」を発売した。ポイントは、昔なつかしい越中売薬の赤箱(薬箱)風の箱に入っていること。かつて各家庭にもあった赤い薬箱を模した箱に、6人前の薬膳そばとつゆ、富山の薬売りが景品に使っていた紙風船1枚が入っている。薬箱そっくりのパッケージと生薬入りのそばということで、越中売薬・富山のおみやげにぴったりだと評判を呼んでいる。

■そばの風味が際立つ「くすしそば」
 この薬膳そばは、12年前に同店が開発した人気商品。薬膳とは、和漢薬の原料である生薬を食べ物に配合したものをいい、このそばには6種類の生薬が配合されている(*)。日ごろの食事によって病気にならないように体力づくりをするという中国古来の「医食同原」の考え方によるものだ。
 同店では医者を意味する「くすし(薬師)そば」の商品名で販売されている。味は薬のような苦みはなく、むしろそばの風味が豊かに感じられるほどだ。

■薬の富山をPR
 江戸時代から300年以上の伝統を持つ越中売薬は、富山を代表する地場産業。薬の配置員が日本各地を回り、家庭に各種の薬を預け置き、次に訪問したときに使った分だけの代金をいただく富山独自の「先用後利(せんようこうり)」のシステムとして有名。現在でも2,800人以上の配置員が、全国の家庭を訪問している。
 店主の窪田行志さんは、「『越中赤箱』によって、薬の富山を多くの人々にPRできれば」と語り、今後は薬膳そばだけでなく、薬膳のラーメンやうどんにも取り組んでいきたいとのこと。
「越中赤箱」は1箱1,980円。同店のほか、富山空港売店、JR富山駅前CiC5階にある県特産品売場でも販売している。

(*)「くすしそば」の中には、次の6種類の生薬が配合されている。( )内は生薬名
・ナルコユリの根(黄精<おうせい>)
滋養、強壮薬として、病後の虚弱者や糖尿病に用いられている。
・バラの実(山子<サンザシ>)
消化不良、慢性下痢に用いられている。
・クチナシの実(山梔子<サンシシ>)
消炎、止血、解熱薬に用いられ、打撲傷の外用薬にもなる。
・胃クズ(葛根<カッコン>)
発汗、解熱、鎮痛薬に用いられ、葛根湯の名で知られている。
・山イモ(山薬)
食欲不振、疲労、胃腸虚弱に用いられている。
・人参(オタネニンジン)
新陳代謝を高める働きがあるほか、消化不良、嘔吐、腹痛、食欲不振に用いられている。

問い合わせ
●そば処 まるぜん
〒930−0066 富山市千石町1丁目5-5
TEL 0764-21-6932

コメント

その他の特産品

ページの先頭へもどる↑