トピックス

アーカイブ

2010年 8月 4日 [ トピックス ]

No.466-2:湯煙の向こうに立山連峰そびえる! 都内銭湯に背景画


 東京都内にある銭湯の背景画(ペンキ絵)に迫力のある立山連峰が登場‥‥。富山市は今年度、「ホットして富山市」PR事業を展開。銭湯での観光ポスターの掲出や、富山産の健康茶・栄養ドリンク・清涼飲料水などの販売を通して、観光誘客や富山ブランドのPRにつなげる。

▲大黒湯の背景画

●「ホットして富山市」PR事業を展開

 東京都内にある銭湯の背景画(ペンキ絵)に迫力のある立山連峰が登場‥‥。富山市は今年度、観光誘客と富山ブランドの発信を目的に「ホットして富山市」PR事業(市物産振興会へ補助)を展開している。銭湯の象徴である湯船の背景に立山連峰など富山の雄大な自然を描くことで、入浴客に湯船に浸かりながらゆったりホットして、富山市を身近に感じてもらうことがねらいだ。
 
 富山市は東京都公衆浴場業生活衛生同業組合を通じて、都内の銭湯にPR事業への協力を呼びかけた。背景画は数年で色を塗り替えることが多く、タイミングの合った吉野湯(江戸川区)、大黒湯(杉並区)、仙石湯(荒川区)、八幡湯(渋谷区)、第二香藤湯(墨田区)の5つの銭湯で、背景画としておなじみの富士山などから立山連峰への塗り替えを市物産振興会の費用負担でこのほど行った。
 
 大黒湯の男湯、女湯の背景画(タテ2.5m×ヨコ6m)には、富山市岩瀬から見た立山連峰が描かれた。青空をバックに雪を冠った立山連峰と、その手前を全国初の本格LRT・富山ライトレールが走る構図で、富山市の観光キャッチフレーズ「立山あおぐ特等席。富山市」の文字も入っている。

 銭湯利用者の反応を紹介すると、大黒湯では早速都内の「銭湯同好会」のメンバー十数人が入浴し、「見慣れていた富士山の絵よりインパクトがある」などと感心した様子。また、馴染みの利用客からは、「実は富山県出身」と背景画の塗り替えをきっかけに声をかけられたという。吉野湯でも馴染みの客から「富山県出身だから、懐かしい」の声や、立山に登ったことのある利用客がいて、他のお客に登山の思い出を語っていたという。八幡湯では、女湯の絵に川の流れも加えたことから、「奥行きを感じ、迫力がある」などと評判になっているという。

 風呂あがりにホット一息と、各銭湯では、“くすりの富山”ならではの健康茶や栄養ドリンク、富山産のラムネ飲料など、市の特産品も販売予定。「富山で休もう。」の観光ポスターを貼り、観光パンフレットも配布して、富山への観光誘客と富山ブランドのPRを実施する。銭湯経営者の故郷を想う気持ち、郷土愛が伝わってくるようだ。

●越中人持ち前の粘り強さで銭湯経営

 富山と都内の銭湯とは意外な関係があることをご存知だろうか。銭湯の初代経営者のうち、富山県、石川県、新潟県出身者が約80%を占めているのだ。背景画を立山連峰に塗り替えた銭湯をみても、大黒湯、仙石湯、八幡湯、第二香藤湯の経営者は富山県ゆかり、吉野湯は石川県ゆかり。なお、大黒湯は、現在の店主・村椿隆紀氏の祖父が富山県魚津市出身。昭和27年に祖父と父親が大黒湯を開業。落語家の立川志の輔師匠が明治大学在学中から常連として訪れている。
 
 なぜ富山など北陸ゆかりの経営者が多いのか。銭湯の仕事は重労働だが、越中人、北陸人持ち前の粘り強さ、勤勉さで仕事に励んだことや、銭湯が現金商売のため、信頼できる人を故郷から呼び寄せて番台に座らせ、その人たちが独立するという繰り返しで増えていったのではないかといわれている。ちなみに、戦時中、両親の故郷・富山市に疎開し、高校卒業まで暮らした演出家・故久世光彦氏が手掛けた人気ドラマ「時間ですよ」の銭湯のおかみさん(森光子氏)も富山出身という設定だった。

 富山市商工労働部薬業物産課では、「銭湯の利用客に立山連峰の背景画を見て興味を持ってもらい、実際に富山へ観光に来ていただければうれしい。豊かな自然や文化、特産品など富山ブランドを首都圏でPRするため、銭湯での“ホットして富山市”PR事業のほか、東京・銀座の物産館・銀座めざマルシェに6月に出展した。やくぜんカレー、白えびうま煮、富山ラーメンなど、富山市内の企業13社の28商品を展示・販売しているのでこちらも利用してほしい」と話している。


▲銀座めざマルシェの富山市ブース


問い合わせ
●富山市商工労働部薬業物産課
TEL.076-443-2071
FAX.076-443-2183
http://www7.city.toyama.toyama.jp/

コメント

その他のトピックス

ページの先頭へもどる↑