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2010年 12月 1日 [ トピックス ]
No.483-1:富山県ふるさと文学館(仮称)、平成24年夏までに開館
富山県の豊かな自然や風土の中で育まれてきた富山ゆかりの「ふるさと文学」。県では、世代を問わず、誰もが気軽にふるさと文学に親しむ環境づくりを進めており、平成24年夏までに、「富山県ふるさと文学館(仮称)」を富山市中心部に開設する。大伴家持の越中万葉から現在に至るまでの文学作品のほか、映画、漫画、アニメーションなどを幅広く紹介する。
●文学作品をはじめ、映画、漫画、アニメなど幅広く紹介
富山県の豊かな自然や風土の中で育まれてきた富山ゆかりの「ふるさと文学」。県では、世代を問わず、誰もが気軽にふるさと文学に親しむ環境づくりを進めており、平成24年夏までに、「富山県ふるさと文学館(仮称)」を富山市中心部に開設する。文学館は旧知事公館と隣接県有地を活用して整備。大伴家持の越中万葉から現在に至るまでの文学作品のほか、映画、漫画、アニメーションなどを幅広く紹介する。
館長には、富山市出身の作家で歌人の辺見じゅん氏の就任がこのほど決まった。このほか、国文学者で、奈良県立万葉文化館長の中西進氏、映画監督の篠田正浩氏、氷見市出身の漫画家・藤子不二雄A氏(本記事中の藤子不二雄A氏のAは全て「○中にA」)が、企画や事業について助言するアドバイザーを務める予定である。
富山県は、万葉歌人・大伴家持が223首もの歌を詠んだ越中万葉ゆかりの地。また、角川源義氏や源氏鶏太氏、堀田善衞氏といった作家を輩出している。宮本輝氏の『螢川』、高橋治氏の『風の盆恋歌』など、富山を舞台にした文学作品も多数ある。映画では滝田洋二郎氏、本木克英氏、漫画では藤子不二雄A氏、藤子・F・不二雄氏らを生んでいる。文学館は、これら富山ゆかりの作家や作品の魅力を幅広く発信する施設として、また誰もが気軽に親しみ、学ぶことができる場となる。
外観は、旧知事公館と緑豊かな庭園を生かし、静かで落ち着いた佇まいとなる予定。松川沿いからのアプローチで、庭園に面した深い軒を持つ空間から入口へと人を誘導する。展示スペースは蔵と土間をイメージした増築部分に配置し、庭園に面したエントランス周辺に、無料開放のライブラリーやミュージアムショップ、親子スペースなどを設ける。
●越中万葉の世界から富山ゆかりの文学者の空間へ
導入展示では、大伴家持の生涯を描いた映像が絵物語で解説され、家持の作風に富山の自然や風土がどれほど影響したかを伝える。また、立山が育んだ文化や文学についても絵物語で紹介する。
常設展示では、立山連峰をイメージした折り紙オブジェに、家持と現代人が語り合う場面のシルエットを投影。オブジェの周囲では万葉集に関する資料を展示するほか、庭園にはカタクリやツバキ、ハギなど、越中万葉に詠まれた草花を植栽。来館者が越中万葉の時代と現代とのつながりを体感できるよう工夫を凝らす。また、富山ゆかりの文学者の空間として、文学者の生涯や作品を紹介した文学者ボードを展示し、直筆原稿や愛用品などの実物を鑑賞できるようにする。
子どもたちや親子が遊びながら文学や絵本、漫画、アニメに親しめるように、親子スペースが設けられることも特筆すべき点だ。絵本コーナーなどで文学に触れられる。次代を担う子どもたちの創造の場として期待も高まる。旧知事公館の1階部分を改修し、喫茶室や研修室なども配置。明るく奥行きのある庭園を眺めながら、ティータイムが楽しめる。
県では、文学館開館に向け、富山に関する貴重な文学資料の確認、収集を昨年から始めた。寄贈・寄託の窓口となる「ふるさと文学発掘チーム」が発足し、資料の整理や情報収集にあたっており、源氏鶏太、江戸川乱歩などの関係資料約3,000点を寄贈を前提に確認している。
富山県生活環境文化部文化振興課・ふるさと文学館整備班では、「富山ゆかりのふるさと文学、映画、漫画、アニメの魅力を幅広い世代に発信していきたい。平成23年3月までに実施設計を終え、23年度に工事を実施し、24年夏までに開館の予定。県民の皆さんはもちろん、全国から富山へ多くの人が訪れる拠点にしたい」と話している。
問い合わせ
●富山県生活環境文化部文化振興課 ふるさと文学館整備班
TEL.076-444-8929
FAX.076-444-8900
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1718