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2011年 3月 9日 [ トピックス ]
No.497-1:4年後の開業に向け、北陸新幹線県内3駅の駅舎デザイン案
平成26年度末までの長野―金沢間の開業を目指し、富山県内区間(90km)の工事が着々と進む北陸新幹線。富山県と富山市はこのほど、北陸新幹線富山駅のデザイン推薦案を、建設工事を担う鉄道建設・運輸施設整備支援機構に回答。富山、新黒部(仮称)、新高岡(仮称)の県内3駅の駅舎デザイン案が揃った。
●県都の玄関口・富山、立山杉の木立をイメージ
東京から長野、上越、富山、金沢、福井などの主要都市を経由し、大阪に至る北陸新幹線(延長約700km)。平成26年度末までの長野―金沢間の開業を目指し、富山県内区間(90km)の工事が着々と進んでいる。富山県と富山市はこのほど、北陸新幹線富山駅のデザイン推薦案を、建設工事を担う鉄道建設・運輸施設整備支援機構に回答。富山、新黒部(仮称)、新高岡(仮称)の県内3駅の駅舎デザイン案が揃った。
昨年11月に同機構より提示されたデザイン3案の中から県民や富山駅周辺景観デザイン検討委員会の意見を踏まえ、1案を選定し推薦した。富山駅のデザインコンセプトは「立山あおぎ 心ときめく 光の舞台」。県都の玄関口・富山を訪れた人々が、喜びや期待で心ときめくように、光に満ち溢れた明るく、開放的な駅舎で、内部から富山の象徴「立山」を仰ぎみることができる。外観は、大きなガラススクリーン越しに、立山杉の木立をイメージさせた白い柱が並ぶデザインとなっている。県では、“富山らしさが感じられる駅舎となるように、県産材などの地場産品の活用”、“誰もが利用しやすい駅舎となるように、ユニバーサルデザインに配慮”などといった付帯意見を同機構に伝えた。
富山駅は、新幹線駅と在来線の2つの駅が併設する形となる。現在、新幹線建設事業と、在来線を高架化する連続立体交差事業が進んでいる。高架化によって、道路の新設、拡幅が可能になり、交通渋滞の解消を図るとともに、これまで鉄道によって分断されていた南北の市街地が一体化される。また、駅北の富山ライトレールと南の富山地鉄・路面電車との接続、南北を連絡する歩行者用道路の整備などによって、都市機能の充実が図られる。
●新たな玄関口、都市拠点として期待
新黒部駅(仮称)、新高岡駅(仮称)については、富山県と黒部市、高岡市が昨年末にデザイン推薦案を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に回答した。新黒部駅(仮称)のデザインコンセプトは、「見えない駅・魅せる駅」。清冽な水の流れる黒部峡谷のように透明感があり、周囲の森と水の風景に溶け込み、駅内部から新川の美しい風景が一望できる駅舎をイメージしている。外壁は、立山の峰々に残る雪をイメージした白を基調に、ウェーブラインで黒部の自然、立山の稜線の重なりを表現した。
黒部市では、新川地域の「名水」、「名勝」、「名山」、「名産」という4つの魅力を満喫できる駅周辺整備を計画しており、駅の東口広場には「黒部の名水」をイメージした多目的広場を設け、観光、物産、飲食などの機能を備えた地域観光ギャラリー(仮称)を整備する。北アルプスの眺望を楽しめるコーナーなども設ける予定だ。このほか、新黒部駅(仮称)のそばを通る富山地方鉄道に新駅を設置する計画で、乗り換えの利便性を図る。
新高岡駅(仮称)のデザインコンセプトは「飛越能の自然・伝統・技術が融合し、新たな時代を具現化するデザイン」。外壁は、五箇山の合掌造りや高岡銅器、能登の珠洲焼などをイメージさせる茶系を基調に。国宝・瑞龍寺の回廊や高岡鋳物発祥の地・金屋町の千本格子・さまのこをモチーフにしたリズミカルな縦のラインが印象的だ。夜には、駅内部からもれる光が砺波地方の夜高祭りの行燈、能登のキリコ祭りを彷彿とさせるデザインとした。
新高岡駅(仮称)は、富山県西部地域と飛騨・能登地域の新たな玄関口、都市拠点として期待されている。JR高岡駅から1.5kmほど南に位置するため、高岡市では、駅のアクセス強化に向けて、新幹線と交差する城端線に新駅を設置する計画を進めている。
県では北陸新幹線開業に向けて、富山、新黒部(仮称)、新高岡(仮称)の新幹線3駅周辺の整備、観光施設などの受け入れ態勢づくりを本格化させる。高速交通網の拡大によって、人やモノの流れが変わるといわれるなか、大都市圏との交流人口増、新駅を活用した賑わいづくり、情報発信に期待が高まっている。
富山県土木部新幹線・駅周辺整備課では、「北陸新幹線長野―金沢間の開業まであと4年に迫った。富山駅をはじめとした県内3駅がいずれも地域の特色を活かし、次の100年にも受け継がれるような魅力ある駅舎となるよう関係機関と連携・協力しながら取り組んでいきたい」と話している。
問い合わせ
●富山県土木部 新幹線・駅周辺整備課
TEL.076-444-3309
FAX.076-444-3474
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1516/