中日本高速道路(株)＜NEXCO中日本＞が建設を進めてきた東海北陸自動車道の飛騨清見IC－白川郷IC間(延長24.9km)が、7月5日(土)15:00に開通する。これにより、愛知県一宮市の一宮JCT(ジャンクション)と富山県小矢部市の小矢部砺波JCTを結ぶ全長185kmの東海北陸自動車道が、着工以来36年を経て全線開通。本州の中央部で太平洋側と日本海側をダイレクトに結ぶ大動脈が誕生する。

●太平洋側と日本海側を約3時間で結ぶ

　中日本高速道路(株)＜NEXCO中日本＞が建設を進めてきた東海北陸自動車道の飛騨清見IC－白川郷IC間(延長24.9km)が、7月5日(土)15:00に開通する。これにより、愛知県一宮市の一宮JCT(ジャンクション)と富山県小矢部市の小矢部砺波JCTを結ぶ全長185kmの東海北陸自動車道が、着工以来36年を経て全線開通。本州の中央部で太平洋側と日本海側をダイレクトに結ぶ大動脈が誕生する。

　飛騨清見IC－白川郷IC間は、飛騨、大牧など10本ものトンネルがある典型的な山岳道路区間。籾糠山を貫く飛騨トンネルは、延長10.7kmと国内の道路トンネルとしては2番目の長さを誇る。同トンネルの掘削では、大量・高圧の湧水が発生するなどしたため、難工事が続き、貫通までに約9年半を要した。現在、舗装工事の大半が終了し、トンネル内の防災設備の作動試験などが行われている。

　東海北陸自動車道の全線開通により、一宮－小矢部JCT間は、名神高速道路、北陸自動車道を経由するルートに比べ、距離で約65km、時間にして大型貨物車で約35分、普通車で約15分の短縮となる。東海北陸自動車道の一宮－富山IC間の所要時間は普通車で2時間55分、料金は5,350円で、名神高速道路・北陸自動車道経由よりも850円安くなる。7月5日(土)から10月31日(金)までの期間は全線開通記念割引が設定され、一宮－富山ICは4,750円(普通車)で通行できる。

　全線開通により、観光・交流人口の拡大、産業や物流の活性化など、大きな効果が期待される。世界遺産の相倉・菅沼合掌造り集落(南砺市)、演劇の世界的な拠点・利賀村(南砺市)、国宝・瑞龍寺(高岡市)、チューリップ四季彩館(砺波市)、海王丸パーク(射水市)、氷見海岸(氷見市)など、東海北陸自動車道の富山県側の玄関口となる県西部には魅力的な観光資源が多いので、中京圏から富山へのドライブの旅をぜひ楽しんでほしい。また、富山湾で獲れたばかりのホタルイカやシロエビ、ブリなど、四季折々の魚介が中京圏の市場に流通する量も増えるだろう。富山ならではの旬の味覚に舌鼓を打ちたい。

●JR名古屋駅ビル「JRセントラルタワーズ」に巨大広告

　富山県では、全線開通を好機ととらえ、富山の観光や物産、イベントを中京圏に積極的にアピールする観光キャンペーンを展開する計画だ。JR名古屋駅の駅ビル「JRセントラルタワーズ」玄関の吹き抜け空間に3基の巨大なバナー広告を掲示するほか、駅中央コンコ－スの48本の柱にB1サイズのポスターを展開し、名古屋駅やジェイアール名古屋タカシマヤなどの利用客に富山の魅力を印象づける。

　また、全線開通にあわせ、今年度は岐阜県と連携して両県内の「道の駅スタンプラリー」の実施をはじめ、市町村や民間主催の全線開通を記念する事業(イベント、フォーラム、祭りなど)をまとめて紹介するパンフレットの作成・配布、新聞などを使った広報・PR支援も行う予定だ。

　現在、パンフレットや新聞などに掲載する事業を募集中＜締め切り：5月23日(金)＞。対象となる事業は、全線開通を記念するもので、富山県内で7月5日(土)から10月31日(金)までの間に実施されるもの。応募方法として、東海北陸自動車道全線開通記念事業申込書をダウンロードし、必要事項を記入して富山県知事政策室(広域連携担当)へFAX(076-444-3473)しよう。「富山県と岐阜県が共同でPRなどの支援を行います。規模の大小に関係なく、どしどしご応募ください」と県知事政策室では話している。

　市町村レベルでの広域連携、観光キャンペーンの機運も高まっている。このほど設立された岐阜市・富山市観光物産交流推進協議会では、7月から11月にかけて観光物産交流展を相互に開催する。全線開通に合わせ、7月5日(土)・6日(日)には、岐阜市・柳ケ瀬(高島屋前広場など)で岐阜・富山両市の特産品や農林水産品、加工品(富山市からは、ガラス工芸、土人形、くすりなど)の展示・販売を実施。また、富山市のおわら保存会によるおわら町流しが昼に柳ケ瀬、夜には長良川プロムナードで行われる。胡弓の情緒ある音色と、編み笠に浴衣姿の女性たちの優美なおわら踊りに酔いしれてみてはいかがだろう。

　8月以降は、8月2日(土)・3日(日)に富山まつりに合わせて富山市総曲輪のグランドプラザで、10月4日(土)・5日(日)には、ぎふ信長まつりに合わせて岐阜市若宮町・歩行者天国で両市の物産展や観光キャンペーンが開催される。11月1日(土)・2日(日)は、富山市・グランドプラザを会場に実施。特産品や農林水産品などの展示・販売をはじめ、ノベルティーグッズや観光パンフレットなどの配布、大型ビジョンでの観光DVDの放映などが予定されているからぜひ来場を。



問い合わせ
「東海北陸自動車道全線開通」について
●中日本高速道路(株)総務部広報チーム
TEL.052-222-3628
FAX.052-222-3498
http://www.c-nexco.co.jp/

「全線開通に合わせた富山県の観光キャンペーン」について
●富山県観光・地域振興局　観光課
TEL.076-444-3200
FAX.076-444-4404
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1008/

「東海北陸自動車道全線開通記念事業の公募」について
●富山県知事政策室(広域連携担当)
TEL.076-444-4081
FAX.076-444-3473
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1002/

「岐阜市・富山市観光物産交流推進協議会の観光物産交流展」について
●富山市商工労働部　観光振興課
TEL.076-443-2072
FAX.076-443-2184
http://www8.city.toyama.toyama.jp/kanko/