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2008年 1月 30日 [ トピックス ]

No.337-1:地球温暖化防止に、小水力発電所建設へ


 地球温暖化防止に向けて、水力、風力、太陽光、バイオマスなどクリーンエネルギーが注目されるなか、富山県企業局は、農業用水路を活用した小水力発電所「仁右ヱ門(にえもん)用水発電所(仮)」を建設する。今年4月に着手し、来年12月の運転開始を目指す。

●農業用水路を活用して発電

 地球温暖化防止に向けて、水力、風力、太陽光、バイオマスなどクリーンエネルギーが注目されるなか、富山県企業局は、立山町東大森に農業用水路を活用した小水力発電所「仁右ヱ門(にえもん)用水発電所(仮)」を建設する。建設地は、常東用水土地改良区が管理する常東合口用水支線の仁右ヱ門用水路(江戸末期に建設)。今年4月に着手し、来年12月の運転開始を目指す。

 小水力発電とは、ダムなどの大規模な設備を使わず、身近な河川や水路を使って発電する方式。仁右ヱ門用水発電所では、毎秒2.4立方mで流れる水を取水地点から埋設管で1.4km下流まで導水。取水地点と発電地点の高低差24.46mを利用し、水車に直結した発電機を回すことで最大出力460KWを発電する。
 
 年間供給電力量は、一般家庭約840世帯分の年間使用量に相当する350万KWhで、全量を北陸電力に売電する。この電力を石油火力で発電すると、原油換算でドラム缶4,000本分が必要で、年間2,600tの二酸化炭素の排出削減につながる。これは、自家用車で1,100台分の年間排出ガスにも相当する。

●県営では全国2例目

 水力発電は、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない、環境にやさしい純国産のエネルギー。地球温暖化防止に大きく貢献し、エネルギーセキュリティー(エネルギーの安定供給、安全保障)向上の観点からも積極的な推進が求められている。3,000m級の峰々がそびえる北アルプスと富山湾までの距離が数十kmしかなく、急流河川の多い富山県は水力発電に適した地で、県企業局では、これまで中小河川や農業用水路などの落差を利用した小水力発電の開発・導入に向けて調査研究を進めてきた。
 
 今回建設される仁右ヱ門用水発電所は、農業用水路を利用した県営の発電所としては群馬県吉岡町に次いで全国2例目。電力会社に対して、その販売電力量の一定割合で水力、風力、太陽光などの新エネルギーの導入を義務づけた「RPS法」施行後では、北陸で初めての水力発電所となる。なお、現在県内に農業用水路を利用した発電所は4カ所あるが、いずれも地元の土地改良区で運営されている。

 仁右ヱ門用水発電所の総事業費は8億7,500万円で、そのうちの4億円は経済産業省の外郭団体である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から補助を受け、残る4億7,500万円は起債で調達する。

 富山県企業局電気課では、「地球温暖化防止のために自然エネルギーを活用していきたい。今後も調査を続け、適地があれば、小水力発電所建設を検討する」と話している。



問い合わせ
●富山県企業局電気課
TEL.076-444-2146
FAX.076-444-2155
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/7104/

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