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2008年 1月 16日 [ トピックス ]
No.335-2:“郷土料理百選”に「鱒寿司」と「ぶり大根」選定
農林水産省は、農山漁村で脈々と受け継がれているふるさとの味を、「農山漁村の郷土料理百選」として選定した。富山県内からは美しい彩りと豊かな風味をもつ「鱒寿司」と、富山の冬の味覚を代表する「ぶり大根」が選ばれた。
●食の王国とやまを象徴し、109点の郷土料理がエントリー
農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に富山県内から「鱒寿司」と「ぶり大根」が選定された。郷土料理百選は、全国各地に伝わる郷土料理のうち、農山漁村で脈々と受け継がれ、「食べてみたい! 食べさせたい! ふるさとの味」として国民的に支持されうる料理を、各都道府県から選定したもの。各料理にまつわる歴史や文化、レシピ、伝承活動などについてまとめ、全国に発信し、食文化を通じた地域振興を図り、都市と農山漁村の交流を促進させることをねらいとしている。
選定にあたっては、都道府県から推薦のあった約1,650料理の中から、1.地域性や独自性、農山漁村の歴史、文化的な意義 2.保存・継承への努力 3.地元食材・国産材料の活用や地域の生産振興への寄与 4.郷土の自慢の味としての認知 5.都市との交流、地域振興への活用を基準に、料理の専門家やフードジャーナリスト、大学教授、旅行関係者らをメンバーとした選定委員会(委員長:服部幸應服部学園理事長)によって投票が行われた。昨年9〜10月には、一般からのインターネット人気投票(投票総数72,566票)が実施され、その結果も百選選定の際の参考にされた。
県内からは、富山の食文化の豊かさを象徴するように、「かまぼこ」、「五箇山豆腐」、「げんげのすまし汁」、「昆布〆」、「昆布巻き」、「白えび料理」、「ホタルイカ料理」など、109点の料理がエントリー。地域住民に受け接がれ、現在も食されている郷土料理などとして「鱒寿司」と「ぶり大根」が最終的に選ばれた。
●豊かな食文化、郷土料理が伝えられている富山
「鱒寿司」と「ぶり大根」を紹介しよう。鮮やかな緑色の熊笹を一枚一枚めくると、薄紅色の鱒の切り身に、純白の富山米−−。美しい彩りと豊かな風味をもつ「鱒寿司」は、酢で味付けした押し寿司の一種。昔は今の鱒寿司よりも保存が効くようにと、発酵させた馴れ寿司で、笹の葉で包むことで香りをよくするだけでなく、殺菌効果もうまれるようだ。歴史を振り返ると、享保2年(1717)、割烹の術に秀でた富山藩士・吉村新八が神通川の新鮮な鮎と越中米を使って作り、富山藩三代藩主前田利興に献上したことが由来とされる。さらに八代将軍吉宗に献上したところ、食通の吉宗をうならせ、以来越中の名物として江戸へ送られるのが恒例になったといわれる。その後、鱒を使った寿司もつくられるようになり、名物となった。現在は、富山の郷土料理として、また駅弁として高い人気を誇っている。
冬の雷鳴とともにやってくる“ブリ”は、「富山湾の王者」といわれ、富山の冬の味覚を代表する魚。丸ごと一本、どこも捨てるところがなく、さまざな味が楽しめる。「ぶり大根」は、そんなぶりのあら(頭や内臓、骨)と大根を煮込んだ野趣あふれる郷土料理で、煮返すごとに味がしみて美味しくなる。寒い冬の夜に、ぶり大根を肴に熱燗を楽しむのもいいだろう。
富山県農林水産部農産食品課では、「海、野、山の新鮮で多彩な食材に恵まれた富山では、先人の知恵によって豊かな食文化が育まれ、各地域で郷土料理が伝えられてきた。郷土料理百選に選定された鱒寿司、ぶり大根をはじめ、多くの郷土料理をぜひ富山で味わってほしい」と話している。
問い合わせ
●富山県農林水産部農産食品課
TEL.076-444-3271
FAX.076-444-4410
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1613/