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2007年 11月 14日 [ トピックス ]
No.326-2:『広辞苑』(第6版)に富山弁登場!
初版(1955年)からその累計発行部数が1,100万部を超え、日本語辞書の代名詞ともなっている『広辞苑』(岩波書店)。来年1月11日(金)に刊行される第6版に、富山弁の「うまそい」、「きときと」、「はらうい」、「へしない」が新たな項目として加わる。
●現代に生きる方言を重視
初版(1955年)からその累計発行部数が1,100万部を超え、日本語辞書の代名詞ともなっている『広辞苑』(岩波書店)。来年1月11日(金)に刊行される第6版に、富山弁の「うまそい」、「きときと」、「はらうい」、「へしない」が新たな項目として加わる。1998年刊行の第5版の全項目を見直し、新収項目1万、総収録項目がクラス最大級の24万となる第6版。広辞苑にはこれまでも、地方語や地域事項、時代相を表す言葉が収録されてきたが、第6版では特に、現代に生きる方言や各地域特有の事項についても項目が補充された。
辞典編集部によると、「うまそい」は“[形](石川・富山県で)丈夫そうである”、「きときと」は“(富山県で)新鮮なさま。また、元気なさま。「−の魚」”、「へしない」は“[形](富山・石川・岐阜県で)遅い。待ち遠しい。まだるっこい。”、「はらうい」は“[形](富山県で)腹がいっぱいで苦しい。”と紹介される。方言などの新収項目は、NHKの「21世紀にのこしたい ふるさと日本の言葉」など数多くの資料や第一線で活躍している専門家の意見などを集め、地方の言語生活に定着した語を厳選したという。
第6版全体の新収項目候補の数は約10万もあったという。その中から1万を選定するにあたっては、その言葉の使用頻度、重要度、定着の度合いを総合的に評価し、校閲・執筆者と編集スタッフの合議制で決定。新聞記事データベースやインターネットの検索エンジンでヒットした語数、これまでの改訂の流れ、関連語の収録の有無、編集者の長年の経験で培った勘も加味しながら見極められた。
●「きときと」は県観光キャッチフレーズにも
富山商工会議所と富山県観光連盟が勧進元(発行元)となって昨年発行された「富山県方言番付表」(編集:方言研究家・簔島良二さん、監修:富山大学人文学部・中井精一准教授)を見ると、「うまそい」は“みごとな”、「きときと」は“生き生き”、「へしない」は“じれったい”、「はらうい」の収載はないが、「うい」が“つらい”と解説されており、広辞苑と富山県方言番付表ともに同様の意、同じニュアンスで紹介されている。
「きときと」は、番付表では西の横綱を張っており、富山弁の代表格ともいえる。「きときと」といえば、富山県の魅力を国内外に発信・PRする新しい観光キャッチフレーズ「パノラマ キトキト 富山に来られ」にも登場。今年、25年ぶりに替わったキャッチフレーズと広辞苑の収録に不思議な縁を感じずにはいられない。きときとの魚、きときとの顔、きときとの子‥‥‥普段何気なく使っているリズム感のある「きときと」という言葉が、ますます光り輝いてきた‥‥‥。
辞典編集部では「新しい言葉が生まれる一方で、消えていく言葉がある。そのことで世代、地域の間でうまく伝わらない言葉も増えている。そのため、第6版では、現代に生きる方言・民俗語彙なども重視した」と話している。
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●岩波書店・辞典編集部
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