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2007年 7月 18日 [ トピックス ]
No.309-2:富山市科学博物館、リニューアルオープン!
富山市科学博物館(旧・富山市科学文化センター)がこのほどリニューアルオープンした。富山の自然の不思議を楽しく学び、その不思議を探究する科学の面白さを実感できるように、館内は「とやま・時間のたび」(1階)、「とやま・空間のたび」(2階)、「宇宙へのたび」(3階)の3部で構成されており、自然史分野と理工分野の展示が一体となった総合的な展示となっているのが大きな特徴だ。
●好奇心を持って、縦横無尽に富山の自然を探検しよう
富山市科学博物館(旧・富山市科学文化センター)がこのほどリニューアルオープンした。富山の自然の不思議を楽しく学び、その不思議を探究する科学の面白さを実感できるように、館内は「とやま・時間のたび」(1階)、「とやま・空間のたび」(2階)、「宇宙へのたび」(3階)の3部で構成されており、自然史分野と理工分野の展示が一体となった総合的な展示となっているのが大きな特徴だ。
1階エントランスでかつて富山にいたナウマンゾウ(復元模型・骨格標本)の出迎えをうけながら、「とやま・時間のたび」の展示室へ。ここは、「とやま大地の生い立ち」、「35億年の生命史」、「とやまの恐竜研究」の3つのゾーンで構成されており、富山の大地がどのようにして出来たのか、化石や岩石、地形からその歴史にアプローチできる。「とやま大地の生い立ち」では、大陸の一部だった時代から、日本海の誕生、立山の形成、そして現在の富山が出来上がるまでを紹介。中央の床には人工衛星から撮影した写真を貼り合わせた「とやまフィールドマップ」があり、富山の大地を俯瞰して楽しめる。
肉食恐竜・ティラノサウルスの大型模型の鳴き声に導かれ、アンモナイトなどの化石が展示された「35億年の生命史」へ。ここでは生命の進化の様子が多くの化石類からわかる。「とやまの恐竜研究」のゾーンに入ると、富山が恐竜化石の宝庫だということが実感できる。1995年、富山市・大山地域の手取層群で国内最大規模の恐竜足跡化石露頭が発見され、これまでの発掘調査では幅約60m、高さ約20mの地層面に恐竜(獣脚類、鳥脚類、竜脚類、アンキロサウルス類)、翼竜類、鳥類の足跡化石が合わせて500個以上も発見されており、これだけ多くの種類の足跡化石が1カ所で発見されるのは世界的に珍しいという。また、草食恐竜のアンキロサウルス類(よろい竜類)の足跡化石は国内で初めての発見。発掘現場の地層ができた1億1,000万年前、その場所は河川の周辺に広がる湿地帯で、水を飲み、食べ物を探しにくる草食恐竜や翼竜類などを獲物にしようと、肉食恐竜がねらっていたことだろう。どのような世界が繰り広げられていたのか、展示された足跡化石(複製)を眺めながら想像してみるのも自然探検のロマンにあふれている。
●ツチクジラの全長約10mの骨格標本を展示
3,000m級の峰々がそびえる立山連峰から水深1,000mの富山湾まで、富山は高度差4,000mに及ぶダイナミックな地形と自然をもつ。「とやま・空間のたび」では、「高山」、「山地」、「河川」、「丘陵と平野」、「海」の5つのゾーンをめぐりながら、自然現象にはどのような科学の原理や法則が関わっているのか、また生物の分布や、自然と人の関わりなどを考えながら、富山を体感することができる。
印象的なのが、富山のシンボル・立山を地形やライチョウ、高山植物などさまざまな視点から紹介する「高山」のゾーン。高山に吹く風速15mの強風を体験できたり、キラキラと輝きながら舞い落ちる雪の結晶のはじまり「ダイヤモンドダスト」を観察することができるユニークな装置もあるのでぜひ立ち寄ってみたい。また「海」のゾーンには、6〜7月頃に富山湾に群れがやってくるツチクジラの全長約10mの骨格標本が展示されており、海中を悠然と泳ぐその姿をイメージできる。富山湾の深海をさぐるコーナーでは、ホタルイカやシロエビ、ベニズワイガニなど食卓にのぼるなじみ深いものから、世界でも珍しいオオグチボヤなどが紹介されており、神秘的な生物を育む富山湾への知識が深まる。
3階に上がって「宇宙へのたび」の展示室へ。ここは、宇宙の映像や隕石の展示、天体図鑑などを通じて、宇宙の不思議や面白さにふれられるゾーン。プラネタリウムホールもあり、約40分間の星空散歩へと旅立ってみたい。
このほか館内には、電磁石に流れる電流の向きを変えて台車を前に進ませる“進め! リニアモータ”、下からの強い風でボールを空中に浮かべる“浮かんでとまるボール”、超音波によって作られる噴水を楽しむ“水のハープ”など、ユニークな実験装置が並ぶ「おもしろ実験ひろば」や、1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進氏(幼少期を旧大沢野町で過ごす)と2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏(富山市出身で高校卒業まで富山市で過ごす)の研究内容などを紹介する「とやま・ノーベル賞受賞者コーナー」もある。見学すると子どもから大人まで自然や科学への興味や関心が大きく膨らむ富山市科学博物館。夏休みに子ども連れでぜひ訪れたいスポットだ。
問い合わせ
●富山市科学博物館
TEL.076-491-2123
FAX.076-421-5950
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/