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2007年 4月 18日 [ トピックス ]
No.296-1:富山米の新品種「てんこもり」、誕生
富山県農業技術センターが育成した水稲新品種「富山67号」。名称を「てんこもり」とし、国へ品種登録と商標登録の出願申請をこのほど行った。平成8年度に「富山36号」と「と系1000」を交配し選抜した「てんこもり」は、成熟期がコシヒカリより7日程度遅く、直播栽培にも適した晩生品種。食味は、ねばりがあってコシヒカリに匹敵する美味しさと高く評価されている。
●富山生まれの新品種
富山県農業技術センターが育成した水稲新品種「富山67号」。名称を「てんこもり」とし、国へ品種登録と商標登録の出願申請をこのほど行った。
「てんこもり」は平成8年度、「富山36号」(良食味に特徴)を母に、「と系1000」(高品質)を父に交配し選抜したもので、成熟期がコシヒカリより7日程度遅く、直播栽培にも適した晩生(おくて)品種。成熟期が遅いことで、夏場の高温登熟を回避できることなどから、コシヒカリよりも安定して品質がよい。また、コシヒカリよりも背丈が10cmほど短いため倒れにくい、穂数が確保しやすく収量性も優れているなどの特徴もある。気になる食味だが、ねばりがあってコシヒカリに匹敵する美味しさと高く評価されている。
富山県の稲作は、中生(なかて)品種のコシヒカリに作付けが集中しており、気象変動へのリスク回避や大規模農家における作業分担・低コスト化を図るため、成熟期の異なる早生(わせ)、中生、晩生のバランスのとれた品種構成に改善していくことが課題となっている。平成16年に本格的な栽培が始まった早生の「てんたかく」に続き、晩生の「てんこもり」が開発されたことで、大規模農家にとっては刈り取り作業の分散化が図られるなどの利点がある。
●美味しいお米がたくさん食べたくなる名称
今年度は、県内各地で100haほどの栽培実証を行う予定で、市場からの評価を得たい考えだ。平成20年度には県奨励品種に採用し、大規模農家を中心に栽培を本格化させる。
品種名については一般公募を実施。県内外から応募のあった1,909点の中から「将来的に全国展開できる品種名を」という観点から命名検討委員会で選考した。“てんこもり”は、“最高のもてなしの心が感じられ、消費拡大や食育にもつながる名称”、“富山のきれいな水、肥沃な大地、生産者の情熱などを詰め込んだ米をイメージさせる”などの理由で選ばれた。“てんこ”は富山弁で“てっぺん”、“頂”という意味で、米の頂点になればという願いも込められている。早生品種の「てんたかく」と名前にシリーズ性があることも選考の理由となった。
富山県農林水産部農産食品課では「米粒にツヤや透明感があり、富山の美しい水や肥沃な大地をイメージさせる。早生の“てんたかく”、中生のコシヒカリ、晩生の“てんこもり”の普及拡大で富山米のブランド力をより向上させたい」と話している。
問い合わせ
●富山県農林水産部農産食品課
TEL.076-444-3283
FAX.076-444-4410
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1613/