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2007年 3月 28日 [ トピックス ]

No.293-2:ツバキ酵母を使った純米吟醸酒で今宵一献


 春咲きのツバキが目を楽しませてくれる季節。若駒酒造場(南砺市井波)は、ツバキの花から採取した酵母を使った日本酒づくりに取り組んでいる。3月24日(土)・25日(日)に南砺市井口で開催された「南砺いのくち椿まつり」では、昨年3月に醸造した純米吟醸酒「萌(めぐみ)」(500ml 入り:1本1,500円)を本格販売。会場を訪れたツバキの愛好家や左党にも好評で、若駒酒造場では手ごたえを感じている。

●井口椿公園のツバキから酵母を

 春咲きのツバキが目を楽しませてくれる季節。若駒酒造場(南砺市井波)は、ツバキの花から採取した酵母を使った日本酒づくりに取り組んでいる。3月24日(土)・25日(日)に南砺市井口で開催された「南砺いのくち椿まつり」では、昨年3月に醸造した純米吟醸酒「萌(めぐみ)」(500ml 入り:1本1,500円)を本格販売。会場を訪れたツバキの愛好家や左党にも好評で、若駒酒造場では手ごたえを感じている。

 日本酒の国内消費量が年々減少するなか、花酵母を使った酒づくりは近年日本酒業界で注目されており、若駒酒造場でも地元の新たな特産品として育てていきたいと、2年ほど前から富山県食品研究所の協力を得てツバキ酵母を用いた日本酒づくりに取り組んできた。

 日本酒づくりは、県食品研究所の研究員と南砺市井口にある「井口椿公園」を歩きながら、枝から落下したツバキの花を採集することから始まった。同研究所ではツバキ51種から226株の酵母を分離・採取し、2週間ほど培養したあと、エタノール生成能が高い、異臭が認められない、他の醸造用酵母を殺してしまうキラー性などを持たないなどの基準から、ツバキ酵母10株を選抜。選抜した酵母を使って試験醸造した結果、香味などに優れた酵母が1株選定されたという。日本酒は、酒米を麹菌の酵素によって糖分に変え、そこに酵母を加えて発酵させることから生まれるため、酒づくりには良い酵母が必要となる。ちなみに選定された酵母は、「旭光(きょくこう)」というツバキの品種から作られたもの。八重咲きの大輪で、白地に縦に紅色が入る花を咲かせる。

●甘味、酸味のバランスがよい

 若駒酒造場では、県産の酒造好適米「山田錦」を55%以下に精白し、選定されたツバキ酵母や庄川上流の伏流水などを使って仕込み、熟成させて「萌」を仕上げた。色はやや黄金色で、ツバキのような甘い香りを漂わせている。いただくとふくよかな甘味と旨味が口の中にふわりと広がる。ワインのような華やかでフルーティな味わいとでも表現できようか。

 アルコール度数は14.9度で、日本酒度は−11、酸度2.2、アミノ酸度1.6。日本酒度とは甘辛を見る大まかな目安で、マイナスが甘口、プラスが辛口を示す(数字が大きいほど甘辛の特徴を示す)。若駒酒造場の「純米酒 若駒」(日本酒度は+5、酸度1.6、アミノ酸度1.2)の辛口と比較すると、「萌」の−11がいかに甘口で、酸度は高いかがわかる。ただ、甘口といってもさらりとした甘味を持ち、酸味とのバランスがよい。「ツバキ酵母が、甘味、酸味のバランスを整えてくれているのではないか。飲むときは冷蔵庫でキーンと冷すと、おいしさが高まる。口当りがよく、女性にもおすすめ」と酒造場の清都英雄さん。

 若駒酒造場では、「萌」の新酒を昨年11月から仕込み、今年初めからタンクで熟成させており、味が整えば販売を始める予定となっている。「今年の新酒は、まだまだ納得のいくものに仕上がってはいない。毎年均一でおいしい純米吟醸酒をつくりあげるために、今後一層精進していきたい」と言葉に力を込めて清都さんは話している。

 なお、昨年3 月に醸造の「萌」は500ml入りで1本1,500円。南砺市井波・八日町通りにある若駒酒造場のほか、インターネットでも購入できる(送料別途)。


▲井口椿公園


問い合わせ
●若駒酒造場
TEL&FAX.0763-82-7373
http://www.nande.com/wakakoma/

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