高岡漆器の青貝塗の技法を活用した携帯電話用ストラップが商品化された話題と、富山県西部地域の地場産品を展示・販売する高岡地域地場産業センターで高岡銅器や高岡漆器などを特別価格で販売する朝市をスタートさせた話題を紹介しよう。

●高岡漆器の螺鈿・青貝塗の技法を使った携帯電話用ストラップ

　伝統工芸が息づくまち、高岡市から2つの話題を紹介しよう。

　「違い棚の高岡塗りは沈んだ小豆色に古木の幹を青く盛り上げて････」と文豪・夏目漱石の『虞美人草』にも登場する高岡漆器。この高岡伝統工芸の特徴である“青貝塗”の技法を活用した携帯電話用ストラップが商品化された。漆器製造と卸売を行う「高岡漆器株式会社」が、高岡漆器の技法で、日常生活で気軽に身につけてもらえる小物ができないかと開発を行ったもので、道の駅「万葉の里高岡」の指定管理者「インサイト」の協力により、能越自動車道・高岡ICに近接する国道8号線沿いに4月にオープンした道の駅「万葉の里高岡」の特産展示販売のコーナーで販売を開始した。

　螺鈿とは、貝類を彫刻して漆地や木地などにはめ込む技法で、その一種である高岡漆器の“青貝塗”は薄く削った鮑貝を貼り付けて使用する。鮑貝は薄く削ると青く輝くことから“青貝塗”と名付けられている。

　今回の携帯電話用ストラップには、黒の本体に「さくら」や「ほしくず」、「みずたま」、「格子」、「ストーン」、「ライン」をイメージした6種の意匠を施した。手にすると、小さな貝が虹色に輝き、高い質感と高級感を漂わせている。高岡漆器には木地が用いられるが、携帯電話用ストラップという用途や耐久性を考えて樹脂を使用。にかわで接着した貝が剥がれ落ちないように全体にクリア塗装が施されている。大きさはタテ3cm、ヨコ1.5cm、厚さ5mm(1,400円)と、タテ3cm、ヨコ5mm、厚さ5mm(1,200円)の2種類。高岡漆器株式会社では、「高岡漆器の螺鈿・青貝塗の技法を感じてほしい。今後は朱色の樹脂を使った携帯電話用ストラップをはじめ、ネックレスやイヤリングの商品化も予定している」と話している。

　なお、高岡漆器株式会社の商品を販売する「漆器くにもと」から「携帯電話用ストラップ」を抽選で2名様にプレゼントします。プレゼント応募フォーム(http://toyama-brand.jp/present.html)に、プレゼント内容「携帯電話用ストラップ」・氏名・郵便番号・住所・メールアドレス・電話番号、記事を読んでのご感想をご記入のうえ、お送りください。＜6月11日(日)締切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。＞

●朝市で工芸品や農産加工品を特価で販売

　富山県西部地域の地場産品を展示・販売する高岡地域地場産業センターでは、高岡銅器や高岡漆器などを特別価格で販売する朝市をスタートさせた。高岡市では、国の構造改革特区「ものづくり・デザイン人材育成特区」の認定を受け、小中学校・養護学校で「ものづくり・デザイン科」の授業がスタートしており、伝統工芸の技術を見直そうとの機運が高まっている。同センターでも気軽に地場産品を手にとってもらえる機会を増やそうと朝市を企画した。

　朝市は、8月末までの毎週金・土・日曜、午前7時30分から9時までの開催。センターの正面に張られたテントでは、高岡銅器の花器や干支の置物、高岡漆器の盆や茶托、銘々皿などがずらり。これからの季節にぴったりの銅製の風鈴もテントに並び、涼しげな音色を響かせている。工芸品のほか、ＪＡ高岡とタイアップして地元の農産加工品の販売も行っている。高岡市の石堤、国吉、守山、二上地区で栽培されているコシヒカリ「万葉米」、戸出地区の「菜種油」、「うどん」をはじめ、夏においしい「利賀清流素麺」も特別入荷中だ。

　朝市のあとは、高岡地域地場産業センターに併設された産業資料館(9時開館)にも寄ってみたい。高岡銅器、高岡漆器、井波彫刻、庄川挽物などの歴史や工程が解説されており、工芸家の優れた作品に出会うことができる。高岡地域地場産業センター・総務課では「伝統工芸品の良さを朝市で手にとって確かめてほしい。資料館は今夏にリニューアルを予定。高岡銅器と高岡漆器の体験工房も併設される予定なので気軽にお立ち寄りください」と話している。



問い合わせ
＜携帯電話用ストラップについて＞
●道の駅「万葉の里　高岡」
TEL.0766-30-0011
FAX.0766-30-0022
http://www.manyonosato.com/
●漆器　くにもと
TEL.0766-21-0263
FAX.0766-21-0363
http://www.rakuten.co.jp/kunimoto-jp/

＜「高岡地域地場産業センターの朝市」について＞
●高岡地域地場産業センター・総務課
TEL.0766-25-8283
FAX.0766-26-7323
http://www.takaokajibasan.or.jp/