- HOME : Toyama Just Now
- トピックス
- No.020-4:砂防をテーマとした国内初の博物館「立山カルデラ砂防博物館」オープン
1998年 5月 15日 [ トピックス ]
No.020-4:砂防をテーマとした国内初の博物館「立山カルデラ砂防博物館」オープン
■立山カルデラの大自然と砂防を紹介
立山黒部アルペンルートの玄関口である立山駅前に、富山県と建設省立山砂防工事事務所が共同で建設を進めてきた「立山カルデラ砂防博物館」が、6月30 日(火)オープンした。観光客や登山客が足を踏み入れることのできない立山カルデラの大自然と、そこで明治時代から今日にいたるまで続けられている我が国トップレベルの砂防事業。この2つをテーマに、いわば“知られざるもうひとつの立山”を広く紹介・普及しようと建設された博物館だ。
■立山カルデラとは
立山カルデラとは、弥陀ヶ原高原に隣接した東西約6.5km、南北約4.5km、面積約2300haの楕円形をした巨大な凹地。立山火山に食い込んだ谷が激しい侵食作用によって拡大してできた侵食カルデラといわれている。美しい弥陀ヶ原高原とは対照的に、荒々しい崩壊地が目立つが、点在する池やその周囲には動植物が棲息し、荒れ地に潤いを与えている。また、カルデラ内の数箇所から温泉が湧出しており、昭和44年の水害で交通が途絶してすたれるまで、特に戦前の全盛期には一日千人を超す宿泊客で賑わったという意外な歴史もある。現在、立山カルデラは砂防工事関係車両以外乗り入れ禁止となっている。
■砂防のメッカ
立山カルデラから流出する土砂によって常願寺川が洪水氾濫を繰り返すため、富山県は明治39年に、立山カルデラ内で砂防工事を開始。その後、大正15年に国の直轄工事として引き継がれ、現在も富山平野を土砂災害から守るため各所で砂防工事が行われている。90年以上に及ぶ砂防工事の歴史は、日本の砂防技術を代表する施設を数多く完成させ、立山カルデラは砂防関係者から“砂防のメッカ”と呼ばれている。
■「立山カルデラ砂防博物館」の施設内容
立山カルデラの自然と歴史を解説した「立山カルデラ展示室」では、直径12m、1〜3階まで吹き抜けのドーム型大型地形ジオラマで立山カルデラの風景を臨場感たっぷりに見ることができる。また、1858年に越中・飛騨を襲った安政の大地震を紙芝居仕立てにしたシアターや、降雨体験装置など実験感覚で作動できる装置は、子供たちも楽しめる。砂防工事用トロッコの実物が目を引く「SABO展示室」では、立山カルデラで行われている砂防事業を紹介。「大型映像ホール」では、日本最大級(320インチ)の3D(立体)ハイビジョン映像で、立山カルデラ見学を疑似体験できる。また、日本をはじめ世界の砂防情報を提供する、日本初の砂防情報発信基地「砂防総合情報センター」も設けられている。
■「立山カルデラ体験学習会」を実施
実際に立山カルデラ現地に行く見学会も行われる。工事用トロッコまたはバスで現地に行く「立山カルデラ体験学習会」を1年にそれぞれ16回前後実施する予定。参加条件は、「立山カルデラ砂防博物館」を見学したことのある小学校3年生以上(小学生は保護者同伴)の健康な人。体験学習会の募集は6月30日(火)から開始。
開館時間 9:30〜17:00
休館日 毎週月曜日・祝日の翌日
入館料 大人400円、高校・大学生320円、小中学生200円
●立山カルデラ砂防博物館
〒930-1405 立山町芦峅寺字ブナ坂68
TEL 0764-81-1160
ホームページ http://www.tatecal.or.jp/index.html